新築の天井高さはどう決める?メリットとデメリットから考えてみよう
2023.10.14
家づくりを本格的に考え始めると、「床材に何を使うか」に頭を悩ませることも出てくるでしょう。畳みやカーペットの部屋も作るかもしれませんが、ほとんどの部屋は「フローリング」か「板張り」になるはずです。
一般的な家庭ではフローリングの床が多いものの、板張りの床にはフローリングにない魅力がたくさんあります。しかし、「板張りは扱いが難しい」「時間の経過によって木が割れたり曲がったりする」と聞いて、不安を感じている方も多いかもしれません。
そこで今回は、板張りの床の魅力と注意点をまとめてお伝えします。
注意点を把握して大切に扱えば、板張りの床は時間の経過とともに、より味わい深い見た目と質感に変わっていきます。この経年変化こそが、板張りの床最大の魅力です。
本記事が、納得のいく家づくりの一助になれば幸いです。
そもそも、板張りの床とはどのような床のことを指すのでしょうか。そもそも板張りの床は、フローリングとは違うものなのでしょうか。
まず、多くのフローリングには「集成材(合板)」と呼ばれる木材が使われています。集成材とは、薄く切った木の板を何枚も重ね合わせ、木の板同士を接着剤で張り合わせたものです。
集成材も見た目は木ですが、接着剤をたくさん使っていることから、木そのものが持つ「優れた耐久性や調湿性」「素材のあたたかみ」などはほとんど失われています。
一方の「板張りの床」は、なるべく余計な加工を施さず、木そのものの良さを活かした「無垢材」を使っています。無垢材には、木ならではのあたたかみや肌触りのやわらかさ、高い耐久性や調湿性があるのです。
板張りの床には、普通のフローリングにはない次のような魅力があります。
板張りの床の魅力
次からは、それぞれの魅力について、詳しく見ていきましょう。
板張り床は1枚1枚、本物の木を使って作られています。「本物の木」だからこその風格があり、1枚1枚の床板が異なる表情を見せてくれます。
フローリングの床にはない風格と表情が、板張りの床にはあるのです。
板張りの床には、本物の木だからこその心地良い肌触りとあたたかさがあります。
板張りの床は、なるべく余計な加工を施さずに、木の内部にある水分を抜いて作られています。板張りの床で使われる「無垢材」に施される加工は、長い時間をかけて自然乾燥させるか、専用の釜で内部の水分を蒸発させるかのみです。
よく乾燥させた無垢材は、水分が抜けた代わりに、たくさんの空気層をもっています。この空気層が、やわらかく心地良い肌触りと、自然素材ならではのあたたかみを生み出してくれます。
無垢材の肌触りやあたたかみをうまく想像できない方は、真冬の朝、羽毛布団の中で目覚めたときのことを思い返してみてください。羽毛布団のようにたくさんの空気を含んだ木は、羽毛布団と同じようにやわらかく、あたたかいのです。
モデルハウスや住宅展示場に出かけて、板張りの床を体感してみるのも良いですよ。
せっかく床を板張りにするのなら、天井や壁の素材にもこだわり、部屋全体に統一感を出すのもおすすめです。
例えば天井を床とは異なる種類の木で板張りにしたり、壁を塗り壁にしたりすれば、お部屋の雰囲気はワンランクアップするでしょう。
こちらのお宅は、床から壁、天井にいたるまで、すべて板張りでデザインされています。まるで山奥のロッジのような非日常感がありながら、木のあたたかみを感じられる、落ち着いた暮らしのできる家です。
こちらのお宅は、板張りの床と塗り壁を組み合わせた、あたたかみのあるインテリアが魅力的です。自然の味わいを活かした素材に囲まれて、心豊かな生活を送ってみるのはいかがでしょうか?
板張りの床は、ロッジテイストや和装にだけ合うものではありません。こちらのお宅のように、洋風のインテリアともよくマッチします。板張りの床から1段高くなった、小上がりも素敵ですね。
板張りの壁についてもっと詳しく知りたい方にはこちらが、塗り壁についてもっと詳しく知りたい方にはこちらが、それぞれ参考になります。自然素材の家づくりに興味のある方は、ぜひご一読ください。
板張りの床は、時間の経過とともに、少しずつその見た目を変えていきます。時間の経過とともに色味が深くなり、小傷やちょっとした汚れも、味わいになっていくのです。
木材ならではの経年変化が楽しめる板張りの床は、家族と一緒に年を取っていく床といえるでしょう。
板張りの床には、フローリングやカーペット張りの床にはない耐久性があります。
「木は頑丈」ということを知っている人は、そう多くないかもしれません。しかし、よく乾かした木は鉄やコンクリート以上の丈夫さを備えています。例えば杉は、曲げる力に対して鉄の15倍以上の強度を持ちます。
家は、家族が長い年月を過ごす場所です。年齢を重ねても安心して暮らせるよう、少しでも頑丈な家を建てたいものです。
よく乾燥させた木材には、優れた調湿性があります。調湿性とは、空気が湿っているときには空気中の水分を吸い、乾燥してくると蓄えた水分を吐き出す性質のことです。
木材の持つ調湿性の秘密は、空気層にあります。よく乾燥させた木材内部にあるたくさんの空気層は、やわらかな肌触りや自然のあたたかみだけでなく、優れた調湿性をももたらすのです。
板張りの床にはたくさんの魅力があるものの、人によっては、その魅力をデメリットに感じるかもしれません。
板張りの床の注意点
板張りの床の家を建てるときの注意点について、詳しく確認していきましょう。
板張りの床は、環境や経年による変形を起こすこともあります。環境によっては、木が変形し、割れたり曲がったりするかもしれません。
木の変形は、主に水分によって引き起こされます。木の内部に水分が多く残っていると、家を建てた後も「木の乾燥」は少しずつ進みます。水分の抜けた分、木は小さくなり、板と板の間に隙間ができたり、変形に耐え切れず割れたりするのです。
変形を防ぐには、最初から水分の抜け切った「よく乾いた木材」を使いましょう。家が建った後も、室内が湿気の多すぎる状態にならないよう、湿度50%前後を保てるようにしてください。
お伝えしたように、板張りの床は水気の多い環境が苦手です。湿度を調整しながら、水濡れにも十分注意しましょう。
よく乾燥した木ほど、よく水を吸います。たしかに、水をよく吸ってくれることで、板張りの床の魅力である「優れた調湿性」がうまれます。
しかし、水を吸うばかりで吐き出すことのできない環境が続くと、変形の原因になりかねません。板張りの床にはなるべく水をこぼさないようにし、水に塗れたらすぐに拭き取るようにしましょう。
板張りの床はたしかに丈夫ですが、細かな傷や汚れに対してはデリケートです。傷がつかないようになるべく丁寧に扱い、汚れがついたら、染み込む前にすぐに綺麗にしてあげましょう。
とはいえ、小さな傷やちょっとした汚れは、普通に生活していれば必ずつくものです。傷や汚れを気にするあまり、落ち着いて暮らせなくては意味がないでしょう。
ご安心ください。ちょっとした傷や汚れなら、木材の経年変化とともに、風合いへと昇華していきます。板張りの床は、経年変化や木材に馴染んだ傷や汚れを、「味わい」として楽しめる人にこそおすすめです。
板張りの床には自然素材ならではの見た目や経年変化だけでなく、優れた耐久性や調湿性などの魅力もあります。フローリングと比べると、傷や汚れには少し気を使うかもしれませんが、フローリングにはない魅力があるのです。
しかし、フローリングと比べて扱いや建材選びが難しいのも事実です。板張りの床の家を建てたいのなら、自然素材の扱いを得意とする、実績の豊富な工務店を選びましょう。
幸い、自然豊かな新潟には、自然素材の扱いに長けた工務店もたくさんあります。まずは工務店ごとの施工実例を見比べてみて、素材を活かした家づくりをしているところを探してみましょう。
2023.10.14
2023.10.13
2023.10.04
2023.09.29
2023.09.27
2023.09.15