意外と難しい和モダン。外観デザインのポイントと注意点は？

2023.09.29

昔から愛される「和」の雰囲気と、シンプルを基調とした現代の「モダン」テイストをかけ合わせた「和モダン」。和風とシンプルの融合は意外と難しく、組み合わせを間違えると、アンバランスな外観になってしまいます。

そこで本記事では、和モダンな外観を作るポイントをお伝えしていきます。
和モダンな住宅に憧れがある方はぜひ、参考にしてください。

いもとちひろ

建築科卒の住宅×金融専門ライター。子供に「おかえり」が言える仕事を探してライターの道へ。大学で得た経験とFP資格の知識を活かし、家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中

和モダンな外観にするポイント

さっそく、和モダンな外観にするポイントをお伝えしていきます。
意識したいのは、和風さとモダンさのバランスです。

屋根で意識したいのは、和風テイストです。
「切妻（きりづま）屋根」「寄棟（よりむね）屋根」「方形（ほうぎょう）屋根」などの、日本家屋を意識した形状を選びましょう。

すっきりとした見た目にしたい方は、片流れ屋根や陸（ろく）屋根もおすすめですが、シンプルすぎると和風よりもシンプルやナチュラルテイストに傾いてしまうので要注意。
エクステリアや格子などの、他の部分で和風さを意識しましょう。

外壁には、モダンさを意識した色を選びましょう。
ダークグレーやネイビー、ほうじ茶色など、落ち着きがありつつも、現代的な色を選ぶのがおすすめ。

白やベージュのようなライトカラーを選ぶとシンプル寄りになってしまうので、「ちょっと暗い印象になるかも」と思うくらいの、ダークカラーを選ぶのがポイントです。

どうしても白色を使いたい方はツートンカラーにして、1色は白に、もう1色にはダークカラーを選びましょう。

和モダンな外観を作るときに外せないのが、木の格子やドアなどの“和風パーツ”です。
格子やドアなどの現代的なパーツを和風デザインにすることで、和モダンさがより際立ちます。

格子の素材にはアルミや樹脂素材でできた、いわゆる“ウッド風”の格子もありますが、おすすめなのはハードタイプの天然木。
他の素材と比べて設置価格は高くなりますが、経年劣化や質感を楽しめて、アルミや樹脂には出せない重厚感があります。

天然木と聞くと耐久性が心配ですが、メンテナンスをすれば30～50年ほどは持たせられます。
和モダンさを意識したいのなら、ぜひ天然木を取り入れてみてくださいね。

屋根や外壁などの外観部分はもちろんですが、エクステリアまでこだわると、外観の和風モダンさを演出できます。

エクステリアのデザインを決めるときには、次のようなポイントを意識しましょう。

この中でもとくに注意したいのが、庭木選びです。
せっかく外観に和風を意識しても、庭木が洋風チックだとアンバランスな見た目になってしまいます。

木の特徴や見た目を考えながら、庭木に何を選ぶか考えてみてくださいね。

和モダンな外観を作るポイントをお伝えしたので、最後に注意点を説明します。

和モダンを意識するときに注意したいのが、“色の使いすぎ”です。
どんなに落ち着いた色でも、3色より多くなると、どうしても全体的にごちゃついて見えてしまいます。

外観のデザインを考えるときには、外壁・屋根・和風パーツにそれぞれ1色ずつ使うイメージで、どんな色を使うのかを考えてみましょう。

外壁をツートンカラーにする場合は、屋根と和風パーツを同じ色にしたり、ツートンのうち1色を和風パーツと同じ色にしたりするなど、組み合わせも考えてみてください。

ダークカラーを基調とする和風モダンな住宅は、色のバランスによっては暗すぎる雰囲気になってしまうことも。

ちょうどいい重厚感を演出するためには、落ち着きのあるデザインの中に“抜け”を作ることが大切です。

たとえば格子に使う天然木には明るい色を選んだり、アプローチの砂利や石畳などの地面は白やグレーを選んだりして、外観を明るく見せる部分を少しだけ作りましょう。

住宅正面に大きな開口を設けるのもおすすめですが、気密性や断熱性に関わるので住宅会社と要相談です。

和モダンさのある外観を作るためには、和風とモダンのバランスを考えることが大切です。
2つのテイストをかけ合わせることは意外と難しく、どちらかのテイストに偏ってしまうとアンバランスな見た目になってしまいます。

和モダンな住宅を作るのなら、和モダンテイストを得意とする住宅会社に相談するのが1番です。モックハウスでも和モダンが得意な住宅会社や事例を紹介しておりますので、ぜひご覧になってくださいね。