「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
新築住宅を検討していると、住宅会社のWebサイトなどで「受賞歴」などを見かけることはないでしょうか。建築士や設計事務所が、自身の作品を応募し、優秀だと認められたため受賞したものですが、一般の人にはあまり馴染みのないものですよね。
そこで本記事では、建築業界の「賞」や「認定」と、それらを審査する「建築コンペ」について解説します。
「建築コンペ」とは、複数の建築家や設計事務所などから設計案を応募してもらい、集まったなかから優秀な作品を選出することです。「建築設計コンペ」や「設計競技」とも呼ばれています。募集形式は、すべての建築家に応募機会がある「公開コンペ」と、あらかじめ、建築家を絞って案を出してもらう「指名コンペ」があります。
もともとは”設計案を応募してもらう”という形式ですが、現在ではすでに完成した建物など、”実例に対して表彰する”といった、コンテストのようなものを指すケースも多いです。
「〇〇建築学会」や「〇〇協会」といった団体が主催するもの、メディアやメーカーが開催するものなど、多方面で催されており、一種のお祭り・イベントのような趣きもあります。
審査で重要視されるのは、発表内容や作品であり、経歴や肩書などはあまり反映されないコンペも多く平等です。若い建築家にもチャンスが用意されている点は魅力といえます。
家づくりを検討している施主のなかには、受賞した設計者や住宅メーカーなどを見かけたことがある人もいるかもしれません。コンペに受賞したということは、第三者から認められたともいえるので、色々箔がつくものですが、それだけで自分の家づくりを任せるパートナーを決めるのは早合点だと私は思います。また、施主個人が注文住宅をオーダーしたいとき、コンペ形式(相見積もり)のようなことは控えましょう。
コウダイコメント
いずれ、「モックハウス賞」を開催してみるのも面白いかもしれませんね。
ここからは、私が知っている主要な賞を紹介します。どんな内容なのか、どんなところが審査基準になっているのか、どんな目的で開催されているのかなど、具体的に見てみるのも面白いですよ。
さっそく、見ていきましょう!
一般社団法人日本建築士事務所協会連合会、通称・日事連は、建築士事務所の資質の向上を目的に、「日事連建築賞」を主催しています。日事連が優れていると判断した建築作品を設計した建築士事務所が表彰され、新築に関わらず、増改築・改修等の建築物も対象です。
「一般建築部門」と「小規模建築部門」の2つの部門に分かれており、昨年度は、約180点もの作品の応募がありました。
ハースト婦人画報社が発行し、70周年を迎えたラグジュアリー住宅誌・モダンリビングが主催している認定マークです。工務店によって質の高い設計・施工がなされ、デザインセンスに優れた日本各地の住宅を認定しており、デザイン的側面と設計・施工のハード的側面を、30項目にも及ぶポイントで検証しています。以下は、代表的な評価項目です。
認定を受けた住宅はモダンリビング本誌に1年間毎号掲載されるほか、公式Webサイトにも掲載されます。
住宅専門誌・建築知識ビルダーズが主催しているコンテストです。脱炭素社会にふさわしいと思われる、美しい住宅を表彰しています。「地域の気候や風土、習慣を尊重した設計」や「エネルギーに対して経済性や持続可能性を考慮している」といったエコハウスの基本となる項目から、「周辺環境に配慮し、家族構成や生活性を考慮したプランか?」といったことまで、幅広い観点が審査基準に盛り込まれています。
審査委員には、松尾設計室代表の松尾和也氏や、東大大学院准教授の前真之氏などが参加しています。
日本の住宅産業を支える、さまざまな分野の事業者が参加している「Good Living友の会」の会員が、ユーザーの「いい住まい、いい暮らし」をいかに実現したかを競い合う、業界最大級のコンテストです。募集作品を総合的に評価する「作品賞」、住宅性能の優秀さを評価した「エコロジー賞」、空間のクオリティを評価した「空間デザイン賞」の3つから、優れた作品を表彰しています。
LIXILメンバーズコンテスト|Good Living 友の会
YKK AP株式会社が主催している「YKK AP エクステリア スタイル大賞」は、業界のエクステリア商品を用いた提案力・設計力の向上を目的としたもので、周辺環境への配慮や将来性といった項目を審査し、工夫を凝らしたエクステリア空間の設計・施工作品を表彰するものです。施工力や技術力に優れた作品であることなどを第三者視点で評価するフォトコンテスト形式を採用しており、代表的な審査項目には、以下のようなものがあります。
また同時に、ユーザーにはエクステリア空間の魅力を伝える役割も担っています。
YKK AP エクステリア スタイル大賞 – YKK AP株式会社
一般社団法人新潟県建築士事務所協会が主催している「建築作品・新潟県賞」は、優れた建築作品を設計した新潟県内の建築士事務所を表彰すると同時に、設計技術を共有することで、県内の建築事務所の資質向上を目指した賞です。
令和3年度は、住宅部門4件、一般建築部門3件、都市部門1件の合計8件の応募作品があり、コンセプトや建築のかたち、景観や周辺環境との関係、デザイン、平面の構成と計画、材料にディテールなど、多くの観点から議論されました。
建築作品・新潟県賞受賞一覧|一般社団法人新潟県建築士事務所協会
建築業界のお祭り「建築コンペ」について解説しました。どの賞もそれぞれテーマがあり、主催者によって影響する分野・範囲なども変わってきます。冒頭でも説明したように、施主が自分の家づくりを任せるパートナー選びの基準にするのはあまりおすすめしませんが、住宅業界の発展に関与していることは間違いありません。
Mockhouseでは新潟県の「受賞歴のある家」特集ページも用意しています。そちらと合わせて読んでみるのもおすすめですよ。
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