注文住宅は「資金計画」がとにかく最優先! 上手な資金計画の立て方と知っておきたいポイント

注文住宅は「資金計画」がとにかく最優先! 上手な資金計画の立て方と知っておきたいポイント
2021.10.22

理想の住宅デザインや暮らし、住みごこちのよい住宅性能など…
色んなことをイメージしながら家づくりの相談に来られるみなさんへ、私がまずお伝えしたいことは「何はなくとも資金計画から!」です。

家づくりを「『いつ』はじめようか?」と悩んでいる人には「思い立ったときが建てどきですよ」とアドバイスすることもあります。

ですが同時に、同じくらい(もしかするともっと?)大切なのが資金計画なんですね。
身も蓋もない話かもしれませんが、資金計画がしっかりとまとまっていなければ新築計画は立ち行かなくなってしまいます。

本記事では、そんな資金計画の立て方や計画時に知っておきたいポイントを解説します。

この記事を書いたひと
小林紘大
小林紘大

新潟市内の工務店で家づくりの実務経験を積んだ後にコウダイ企画室。としてフリーランス建築士として活動中。
「楽しい暮らしは自分でつくる」をモットーに新潟の家づくりを楽しく応援していています。

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注文住宅づくりは資金計画からはじまる

みなさんの家づくりは「しっかりとした資金計画」からがスタート。

では、計画するときにはどんなことを考えながら進めていけばよいのでしょうか?

ここからは、みなさんにもチェックしてほしいポイントを解説します。

展示場や工務店への訪問は予算が決まってから

はじめから急に土地を購入したり、展示場に赴いて現地の営業マンに説明を受けるのはやめておきましょう。

わからないことだらけなのは当然ですが、最低でも「住みたい場所から検討する」のか「住みたい家から検討する」のかを決めてから実際のアクションに移していくのが大切。
住みたい場所か住みたい家かが決まれば予算の見通しも徐々に付いてきます。

この「予算を決める(見通しを立てる)」というところが最初のポイントです。
実際に家を見に行くのは、予算が決まったあとでもまったく問題ありません。

土地や住宅だけじゃない!家づくりにかかる総額を把握しておこう

家づくりは、土地や建物にかかるお金だけでないことは想像できます。
しかし、どんなところにどのくらいのお金が必要なのかを、はじめから具体的に把握できる人は少ないです。

仮に住宅ローン完済までを一区切りと考えたとしても、可能な限りリアルに計算しておきましょう。

モックハウスマガジンでは、家づくりにかかるお金を解説した記事や、住宅ローンを簡単に計算できるアプリなども紹介していますので、ぜひそちらもあわせて参考にしてみてくださいね。

あまい見積もりは命取り!? 土地や建物以外にかかる「諸費用」について解説|マガジンを読む|モックハウス
宅地(土地)や住宅以外の家づくりにかかってくる費用について解説しています。大きな金額に目がいきがちですが、細かな費用も甘く見ると予想以上の出費につながってしまい予算オーバーといったことになりかねません。
【現役建築士がおすすめする】新築住宅の検討時に絶対入れておきたいスマホアプリ5選|マガジンを読む|モックハウス
新築住宅検討時にも活躍してくれる便利なスマホアプリ5選です。スケジュール管理や住宅ローンの計算、家具の設置や土地選びまで!現役建築士が実体験に基づいて厳選してみました!

各種費用は「いつ・誰に・どのくらい」支払うのか?

各種費用が整理できてきた頃から、「いつ・誰に・どのくらい払うのか?」といったことも把握しておくとよいです。

支払うお金の流れや相手先を知ることは、そのまま家づくりの工程を理解することにもつながります。
たとえばほとんどの施主の場合、住宅の建築費用は誰に支払うものでしょうか?

答えは「銀行」です。

お金のやり取りは必ず人とタイミングを介して行われるものです。
支払う先(相手)を知るのは、家づくりにおいても大切にしたいところですね。

住宅が完成したあとの支払いの見通しも忘れずに

新居の完成引き渡しが済んだあとのことも、できれば想像しておいてほしい事柄です。
実際の生活を成り立たせるためのお金や保険料、将来の家族構成まで。

ここまでくると具体的なイメージは難しくなってきますが、「将来設計」として計画性をもって望みましょう。

住宅ローンの検討は慎重に

ここからは、資金計画のなかでもっとも重要な意味をもつ「住宅ローン」について解説します。

とても大きなお金を扱うことになりますので、じっくり読んでみましょう。

工務店が「家づくりのプロ」なら銀行は「お金を貸すプロ」

家づくりを進めていると、あるタイミングで銀行を訪れることになります。
実際の住宅を建てるために工務店や建築会社の力が必要なように、銀行は資金を確保するために必要な相手です。

とはいえ、銀行に行ってもすぐに大金を借り入れるわけではありません。

仮審査などで借入金額や返済能力・返済計画などを吟味しながら最終的な借入額を決定し、本審査を経て契約という手順を踏みます。

建てたい家、理想の暮らしを想像して胸踊らせながら資金計画を進めているなかで、融資担当者に「〇〇万円まで借りられますよ」と、思っていた以上の金額を提示されたら、つい鵜呑みにしてしまうかもしれません。

ですが、ここでみなさんに注意してほしいのが「銀行はお金を貸すプロ」だということ。
より大きい金額で契約してもらったほうが、銀行の利益も増えますし、もし返済が滞っても団信や保証会社といった救済措置があります。

銀行はそれらも視野に入れ、なるべくギリギリまで大きな金額を提示します。
そういったセールスに惑わされず慎重に見極められるよう、最低でも以下2項目を押さえておきましょう。

住宅ローンを組むときに知っておきたい「返済可能額」とは

住宅ローンの融資可能額やモデルハウスなど、本来の自分の予算や基準・感覚を曖昧にしてしまう魅力的な要素はたくさんあります。

慎重に計画していたつもりが返済能力以上の資金計画になってしまったという事例も、こういった要素から起きてしまうことです。

上手な資金計画を組むためには、住宅ローンや土地・建物の価格ではなく「自分自身の返済能力」を基準に考えていくことが大切です。

年間の返済額は、みなさんの年収の20%〜25%以内というのが一般的な目安とされ、そこから算出される数字を「返済可能額」と呼んだりします。

借入可能額は「返済負担率」から算出する

金融機関が融資額を決定するときに基準とするのが「返済負担率」です。

利用する金融機関や住宅ローンの種類によって異なりますが、たとえば「フラット35」の場合は以下のとおり。

  • 年収400万円未満
    年間の返済額が年収の30%以下
  • 年収400万円以上
    年間の返済額が年収の35%以下

年収が400万円の人なら「400×0.35=140」となり年間返済額の上限見積もりを140万円とします。
年間140万円の返済に金利や返済年数を加えて計算したものを「借入可能額」として算出します。

人任せで住宅ローンを組まないこと

上記2つが、住宅ローンを組むときにポイントとなる項目です。

もちろん、ほかにもいろいろな要素を踏まえて借入額は検討されます。
返済負担率」は、金融機関が融資希望者を判断するための基準なのに対し「返済可能額」は、みなさん自身の返済能力を知るために知っておいてほしい基準です。

施主の先々の人生プランまで考えて、本当に無理のない資金計画をアドバイスしてくれる住宅会社や金融機関は、それほど多くはありません。

家族みんながお金の心配をせずにのびのびと生活していくために、住宅ローンは施主自身が主導権をとって金額を決定できるようしっかり準備をして望んでいきましょう。

決して人任せにしてはいけません。

上手な「資金計画」のコツは自分の返済能力を知ること

家づくりの資金計画は、扱う金額や取り扱い期間(ローンの返済など)を省みても、私たちの一般的な生活のなかでもっとも「実感しにくい」事柄のひとつです。

細かな費用や、支払うタイミングなどを一つひとつ把握するのはとても骨の折れる作業ですが、「実感しやすい状態」にするのが大切なポイント。

みなさんの家づくりは、資金計画からがスタートです。自分の返済能力を把握し、焦らずに少しずつ丁寧に向き合っていきましょう!

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