新築の天井高さはどう決める?メリットとデメリットから考えてみよう
2023.10.14
家づくりを進めるうえで、意外と難しいのが「屋根の形の選び方」です。一口に屋根と言ってもいろいろな種類があり、デザインはもちろん、そのメリットやデメリットもさまざまです。
特に、吹き抜けの天井や屋根裏収納を考えている人にとって、屋根選びはさらに難しくなるでしょう。屋根の形は、吹き抜けの天井ならエクステリアだけでなくインテリアにも、屋根裏収納なら空間の有効活用にも直結するからです。
そこで今回は、最近人気を集める「片流れ屋根」について、そのメリット・デメリットや「どんな人におすすめなのか」を解説。雨が多く、日照時間の少ない新潟で特に気を付けたい、屋根裏換気や太陽光パネル設置のポイントもお伝えします。
新潟県内の施工事例も、写真付きで紹介するので、家づくりのイメージを膨らませてみてください。
片流れ屋根とは、1つの方向に向かって傾斜した屋根のこと。真横から見ると、直角三角形のような形をしています。
切妻屋根や寄棟屋根など、いろいろな屋根と比べて、最もシンプルな形をしています。
シンプルなデザインが気に入られ、最近ではさまざまな家で片流れ屋根が採用されています。
次からは、片流れ屋根のメリットを3つ紹介します。シンプルなデザインの良さや、片流れ屋根を選ぶ家庭が増えている理由をチェックしていきます。
屋根板が1枚しかない片流れ屋根は、ほかの屋根と比べるとシンプルな形状、見た目をしています。そのシンプルさを活かせば、エクステリアの印象を洗練されたものにすることができます。
ほかに目立たせたいエクステリアがあるときも、屋根のデザインが主張しないので、全体のまとまりが取りやすいです。
シンプルな形状の片流れ屋根は、屋根裏スペースもシンプルな形をしています。そのため、ほかの屋根と比べると屋根裏スペースを有効活用しやすいです。
例えば屋根裏収納を作る場合、天井(屋根)の高い方には使わなくなった家具や扇風機などの背の高いものを置き、低い方には本や雑貨などの細々としたものをまとめると空間を有効に活用できます。
吹き抜けの天井にする場合でも、片流れの形状はスッキリとした印象があり、開放感を得やすいです。
1方向に向かって傾斜した片流れ屋根では、太陽光発電の効果を得やすいです。ほかの屋根と異なり、屋根に影になる部分がなく、最も広い面積で太陽光を受けられるからです。
太陽光パネルの設置を考えているなら、最も長い時間、たくさんの日光を当てられるよう、屋根の向きや傾斜の角度について、工務店とよく相談することをおすすめします。
太陽光パネルをうまく設置できれば、日照時間の短い新潟でも、比較的高い発電効果を得ることができます。
近年、人気を集める片流れ屋根ですが、実はデメリットも多いです。しかし、デメリットはどれも工夫次第で解決できるものばかり…。だからこそ、多くの家庭で片流れ屋根が採用されているのです。
次からは、片流れ屋根のデメリットを3つお伝えします。設計時に工務店と相談し、解決策を提案してもらいましょう。
片流れ屋根はほかの屋根と比べても、最も雨漏りが発生しやすいです。具体的には、新築物件の雨漏りの約75%が片流れ屋根の家で発生しているほどです。
雨漏りの一因は、片流れ屋根のシンプルな屋根形状にあります。どんな屋根でも、頂上部分に降った雨水は重力に従い流れていきます。切妻屋根や寄棟屋根のような形状では、雨水は屋根板を伝って流れていき、軒からポタポタと地面に落ちていきます。
しかし、屋根の頂上部分が外壁と接している片流れ屋根では、そのまま屋根の裏側を伝い、雨水が外壁へと流れていきます。屋根と外壁の接合部分に雨水が直接あたることで、劣化が早まってしまうのです。
雨漏りを防ぐためには、「透湿ルーフィング」という防水シートを棟に巻くのが有効です。透湿ルーフィングは湿気を排出しながらも、雨水は防いでくれます。破れにくいので、メンテナンスの頻度を抑えることにもつながります。
片流れ屋根はほかの屋根と比べて、外壁や雨どいが劣化しやすいです。
1方向に向かって屋根が傾斜している片流れ屋根では、屋根に降ったすべての雨水が、1つの雨どいに集中します。雨どいに流れる水量は多くなり、その分、雨どいへの負担も大きくなります。
また、ほかの屋根と比べて軒の面積が小さい片流れ屋根では、外壁も劣化しやすいです。特に、屋根の降りている1方向以外の軒は、小さく作られていることが多いです。
軒が小さいため、外壁に日光や雨水が当たる面積は大きくなります。片流れ屋根で外壁の劣化が心配な方は、工務店に相談し、軒を大きめに作ってもらうことをおすすめします。
片流れ屋根は切妻屋根と比べ、屋根裏の換気性能が低いです。
屋根の棟(最も高い場所)には、換気口が付いています。直角三角形の片流れ屋根は、屋根の端の方に換気口がついているため、換気口がない側の換気がどうしても弱くなりやすいです。
屋根の低くなった側にも換気口を設置する、軒を出して屋根全周に換気口を設けるなど、換気性能を高めるのための工夫が必要となります。
片流れ屋根の魅力は、そのシンプルな見た目と形です。雨漏りや換気などの課題さえ克服すれば、どんなデザインにも合う汎用性の高い屋根といえます。
そんな片流れ屋根は、次のような人、家庭に向いているでしょう。
・エクステリアはシンプルにまとめたい人
・ほかに目立たせたいエクステリアがある人
・狭小地に家を建てる人(縦長な家にも合いやすい)
・吹き抜けの高い天井を作りたい人
・屋根裏を収納スペースとして活用したい人
シンプルな片流れ屋根がバイカラーの外壁デザインを際立たせています。
屋根のラインと外壁の鮮やかな緑のラインが個性的で男らしい雰囲気を作り上げています。
片流れ屋根は、「シンプル・イズ・ベスト」を体現したかのような屋根です。シンプルなため、どんなデザインの家とも相性が良く、ほかのエクステリアを引き立たせてくれます。
外壁や雨どいが劣化しやすい、屋根裏の換気性能が低いというデメリットこそありますが、どれも工夫すれば解決できる課題です。屋根裏空間の活用や太陽光発電のしやすさなどのメリット、デザインなどを基準に屋根形状を決め、その後デメリットの解決方を考えることで、納得のいく屋根選びができるはずです。
信頼できる工務店を見つけて、理想の家づくりを叶えましょう。
2023.10.14
2023.10.13
2023.10.04
2023.09.29
2023.09.27
2023.09.15