新築の天井高さはどう決める?メリットとデメリットから考えてみよう
2023.10.14
最近では北欧風やカリフォルニアスタイルなど、住宅のテイストも多種多様になってきています。
それに伴い、和室や畳が全くない家も多く見かけるようになりました。
ほんの少し前まで、日本の家には1部屋か2部屋の和室があるのが当たり前でした。
もう少し遡れば、家中すべての部屋が畳だった時代もあります。
日本人にとって、畳ほど慣れ親しんだ床材はないでしょう。
お正月やお盆で実家に帰ったら、まずは和室の畳にダイブするという方も多いかもしれません。
そこで今回は、畳の魅力を見つめなおしてみます。
床を畳敷きにすることにはどんなメリットとデメリットがあるのかを解説し、和室を作る予定のない方に向けて、洋室に畳を取り入れるアイデアを提案します。
フローリングがこれほど普及した現代でも、畳や和室が残っているのには、それなりの理由があります。畳は機能性の高い素材であり、うまく使えば洋風のデザインにもきれいに溶け込むからです。
まずは、畳の床にはどんなメリットがあるのか、代表的なものを確認していきましょう。
畳は断熱性や調湿性が高い素材です。
畳の原料であるイ草には、湿度が高いときには空気中の水分を吸い、空気が乾いてくると溜め込んだ水分を吐き出す性質があります。
畳内部にたくさんの空気が含まれているのも、調湿性や断熱性が高い理由です。畳の中のたくさんの空気が、熱が伝わるのを防いでくれます。
夏も冬も肌触りが良く、湿度を快適な状態に調整してくれるので、畳のスペースがあるだけで暮らしは少し快適になります。
畳の部屋に入ると、なんとなく落ち着いた気分になるでしょう。畳の原料のイ草に、精神をリラックスさせる効果があるからです。
畳の部屋に入るだけで何となく落ち着くのは、部屋の中にイ草の香りが満ちているからです。
さらに、畳には先ほどお伝えした断熱作用、調湿作用もあります。イ草によるリラックス効果と、肌触りの良さ…。
畳の上は、心と身体を休ませるのに最適な場所なのです。
「和室でなければ畳を使えない」ということはありません。畳は洋室においても、インテリアの良いアクセントになります。
最近では、洋室の一画に小上がりや畳スペースを設けたモダンなインテリアも増えています。「洋室×畳」のインテリアは記事後半で紹介するので、「和室を作るほどじゃないけど、畳のスペースは欲しい」という方はぜひご覧ください。
畳の床には、フローリングと比べて扱いづらい部分があります。普段から気を使ってお手入れをしていないと、畳はすぐダメになってしまうかもしれません。
次からは、畳の床のデメリットと、畳を長持ちさせるための工夫を紹介していきます。
畳は汚れや家具を置いた跡が付きやすい素材です。一度付いた汚れや家具の跡はなかなか落ちないので、扱いには気をつけましょう。
例えば洋室に畳スペースを作るなら、畳の上ではなく、フローリングの上に家具を置くようにしてください。
畳には優れた調湿作用がありますが、それが裏目に出ることもあります。
例えば水分をたくさん吸い込んだ畳の中は、湿気の多い場所を好むダニやカビにとって、絶好の繁殖スポットになります。
ダニやカビが発生しないよう、畳のある部屋はこまめな換気を心がけましょう。畳の上に座布団や布団を敷いたままにしておくのも、ダニやカビが発生する原因になります。
お伝えしたように、湿気を含んだ畳はカビやダニの温床にもなり得ます。普段の換気だけでなく、定期的なメンテナンスをしないと、清潔な畳は保てません。
畳を3~5年使ったら、裏返しや表替えを行うようにしましょう。
裏返しとは、畳表(畳の表に付けられたイグサのござ。薄緑色の部分)をひっくり返し、裏側を表として使うことです。表替えとは、裏返しをした畳表が傷んだときに、新しいものに張り替えることです。
3~5年周期で「裏返し→表替え→裏返し→…」と畳表を替えて、メンテナンスするようにしましょう。
結局のところ、私たち日本人は畳が大好きです。文化や住宅がどんなに欧米化しても、私たちの心から畳への郷愁が消えることはないでしょう。
しかし、敷地面積や部屋数の都合から、泣く泣く和室を諦めたという方もいるかもしれません。
最後に、洋室に畳を取り入れるアイデアを3つ紹介します。「畳のある家」を諦めきれない方は、ぜひ参考にしてみてください。
最近では、洋室に畳の小上がりを設ける家も増えています。小上がりとは、床よりも1段高くなった畳スペースのことです。
和室を作るほど空間に余裕がなくても、小上がりくらいなら作れるかもしれません。小上がりの下に引き出しを付け、収納スペースとして活用すれば、空間を無駄なく活用できます。
小上がりの段差で洋室が窮屈になるのが気になるなら、床の高さは変えずに、畳スペースを作ることもできます。
洋室の一画に4畳ほどの畳スペースを設ける家も、最近は増えつつあります。小上がりと違って段差がないので、掃除もしやすいでしょう。
最近の日本住宅は、ほとんど部屋がフローリングの床になっているでしょう。和室がない家もだいぶ増えてきています。
しかし、ほんの数十年前までは、日本家屋は全室和室が当たり前でした。畳の床は日本人にとって最も馴染み深い床です。畳の上ほどリラックスできる場所など、そうそうありません。
これから家を建てようと考えている方は、ぜひ一度、畳の良さを見つめなおしてみてください。家の中に畳が少しあるだけで、暮らしは少し快適になるはずです。
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