新築の天井高さはどう決める?メリットとデメリットから考えてみよう
2023.10.14
多くの人にとって、家づくりは人生最大の買い物でしょう。価格が高いだけでなく、大切な家族が長い年月を過ごす場所が、我が家です。家づくりに関しては、どんなに慎重になっても、「慎重すぎる」ということはありません。
家づくりの中でも特に気になるのが、「外壁材の選び方」でしょう。外壁は、家全体を守る大切なもの。大きな地震が来ても、長い年月が経っても、家族を守れるものでなければなりません。
今回は、外壁材の一種であるガルバリウム鋼鈑について解説。どんなメリット・デメリットがあり、選ぶうえでの注意点はないのか。ガルバリウム鋼鈑が向いている人や、実際の施工事例もお伝えします。
また、新潟ならではの「ガルバリウム鋼鈑の使い方」も紹介!
「雨の多い新潟でも金属素材って大丈夫なの?」
「海沿いでもサビないの?」
といった、新潟ならではの悩みにもお答えしていきます。新潟県内の施工事例も、写真付きで紹介します!
ガルバリウムとは、鋼鈑(鉄の板)を、アルミニウムをはじめとする素材でメッキした建材のこと。メッキには、次の素材が用いられます。
・アルミニウム(55%)
・亜鉛(43.4%)
・シリコン(1.6%)
※()内は質量比
アルミニウムは、耐食性(サビへの強さ)や耐熱性に優れ、加工もしやすい金属です。熱反射性も高いため、夏の暑い日ざしを跳ね返し、室内の涼しい空気が外に逃げていくのを防ぎます。
亜鉛は、犠牲防食性に優れた金属です。犠牲防食性とは、メッキの表面が傷付いたときに、メッキ部分が優先的に錆びる作用。メッキの下にある素地(メッキ下の鋼鈑のこと)が錆びる前に、傷の周りの亜鉛メッキが溶け出し錆びることで、素地のサビを防ぎます。
ガルバリウムとは、どんな外壁材なのか。大切なのは、その特徴や性質を理解することではありません。「我が家の外壁材」として使ううえで、どんなメリットがあるのか、何に気を付けるべきなのかです。
まずは、ガルバリウムを外壁材に使うメリットを、3つ紹介します。
ガルバリウムを外壁材に使うメリット、1つ目は”デザイン性”の高さです。
ガルバリウムの魅力は、金属ならではのシャープな印象と、加工のしやすさにあります。ガルバリウムは外壁材の中でも薄く、着色しやすいです。独特の薄さと、金属特有の光沢が相まって、シャープな印象を醸し出します。着色しやすいため、家全体の雰囲気や家族の好みに合わせて、我が家にピッタリの色合いを選べます。
ガルバリウムを外壁材に使うメリット、2つ目は”耐久性”の高さです。
ガルバリウムの寿命は、10~20年といわれています。メッキに使われた亜鉛の持つ”犠牲防食性”のおかげで、多少傷が付いても、錆びるのは表面だけ。メッキの内側の鋼鈑、つまり外壁そのものは、長い年月の使用に耐えられます。
ちなみに、金属鋼鈑の外壁というと、”トタン”を思い浮かべる方も多いでしょう。トタンは、薄い鉄板を亜鉛でメッキしたもので、外壁や屋根などに使われます。トタンの寿命は5~10年といわれ、ガルバリウムの寿命は10~20年といわれています。ガルバリウムは、トタンの2~4倍もの耐久性を持つのです。
ガルバリウムを外壁材に使うメリット、3つ目は”耐震性”の高さです。
お伝えしてきた通り、ガルバリウムは薄くて軽いにもかかわらず、耐久性に優れています。ちょっとした傷や衝撃では、ビクともしません。
「でも、薄くて軽いってことは、大きな地震には耐えられないということなんじゃ…?」と、不安に感じる方もいるでしょう。
ご安心ください。薄くて軽いということは、建物にかかる負荷も小さいということ。住宅に使われた建材、特に屋根が重いと、少し揺れただけでも建物全体に大きな負荷がかかります。しかし、ガルバリウムは軽いため、地震で建物が揺れたときにかかる負荷も軽くなります。
ガルバリウムを外壁材に使うメリット、3つ目は”メンテナンス性”の高さです。
ガルバリウムの寿命は、10~20年とお伝えしました。では、ガルバリウムをなるべく長く持たせるためには、どのようなメンテナンスをすればいいのでしょうか。
メンテナンス方法は、いたってシンプル。定期的に水をかけ、外壁についた汚れを落としてあげましょう。特に、沿岸地域では注意が必要。塩害を防ぐために、メンテナンスの周期は1~3ヵ月程度と考えておきましょう。とはいえ、雨の多い新潟では、夏以外はメンテナンスもしやすいです。雨が降った後に水を撒くくらいの気持ちで、外壁を洗ってあげましょう。
ガルバリウムは、軽くて丈夫、メンテナンスもしやすい外壁材です。ここまでの説明で、良いこと尽くめな外壁材に感じている方もいることでしょう。
しかし、メリットがあれば、当然デメリットもあります。次からは、ガルバリウムのデメリットを3つ紹介。デメリットを踏まえた「ガルバリウムの上手な使い方」もお伝えします。
ガルバリウムを外壁材に使うデメリット、1つ目は”初期費用が高い”ことです。
ガルバリウムを外壁材として使用する場合、1平方メートルあたりの費用は、3,000~5,000円ほどといわれています。ほかの外壁材と比べてそれほど割高には見えないかもしれません。
しかし、ガルバリウムを使った外壁施工には、さまざまな費用がかかります。金属であるガルバリウムは、水分を全く通しません。外壁材そのものが水分を通さないため、別途の湿度対策が必要です。また、外壁材そのものが薄いガルバリウムは、雨音を通しやすいです。外壁ではあまり気にならないかもしれませんが、防音対策が必要になることもあるでしょう。
何より、ガルバリウムは、ほかの金属と接触するとサビやすいというデリケートな素材です。施工時はほかの金属に触れないよう、細心の注意が必要になります。
これらの理由から、ガルバリウムを使った住宅は、施工費が高くなりやすいのです。
とはいえ、ガルバリウムは耐震性・耐久性に優れ、メンテナンスもしやすいです。初期費用が少し高くとも、長く大切に使えば、元は取れるでしょう。
ガルバリウムを外壁材に使うデメリット、2つ目は傷つきやすいことです。
ガルバリウムの表面には、薄くメッキが施されています。乱暴に扱えば、表面に傷が付いたり、メッキが剥がれたりすることもあるでしょう。
とはいえ、多少傷が付いても、亜鉛メッキのおかげで素地そのものはそうそう錆びません。傷が少し付いたからといって、耐久性にそのまま影響することはないでしょう。
どんな素材でも、乱暴に扱えば傷くらい付きます。外壁の”見た目”を気にするなら、我が家を丁寧に扱うようにしましょう。
ガルバリウムを外壁材に使うデメリット、3つ目は”サビ”です。
たしかに、ガルバリウムはサビにくい金属です。だからといって、全く錆びないというわけではありません。金属系の外壁材全般にいえることですが、海の近くや酸性雨の多い地域では注意が必要です。
ただし、金属系の外壁材の中でサビに特に強いのもガルバリウムです。縦に長い新潟では、沿岸地域に家を建てることになることもあるでしょう。沿岸地域で金属系の外壁材を使うなら、ガルバリウムがおすすめです。
サビを防ぐには、こまめなメンテナンスが大切です。定期的に水洗いをして、きれいな外壁を保ちましょう。
ガルバリウムは、デザイン性が高く、軽くて丈夫な外壁材です。普段のメンテナンスは、ホースで水をかけるだけなので、自分たちでお手入れすることもできます。
そんなガルバリウムは、次のような人、家庭に向いているでしょう。
・金属ならではの見た目を活かした、スタイリッシュな我が家を建てたい人
・初期費用よりも、ランニングコストを抑えたい人
・家族の手で、我が家をメンテナンスしたい人
・定期的なメンテナンスが苦にならない人
・地震の多い地域に住んでいる人
シンプルな箱型のお家にダークカラーのガルバリウムを使用し、スタイリッシュな印象に仕上がっています。
ガルバリウム+板張りの外観は近年人気のスタイルで、クールさとナチュラルさがうまく調和した印象になります。
こちらもガルバリウム+板張りですが、少し珍しいグリーン系のガルバリウムに薪ストーブ、ブラウンのサッシが個性的なお家です。
ガルバリウムは、スタイリッシュな見た目と、その見た目に似合わない”丈夫さ”が魅力の外壁材。耐用年数が長く、メンテナンスを自分たちでできるのも嬉しいです。初期費用は高くとも、長い目で見た”ランニングコスト”に優れています。
ただし、あくまでも金属系の外壁材であるガルバリウムは、沿岸地域や酸性雨の多い地域では注意が必要。「金属系の中では錆びにくい」というのは事実ですが、「全く錆びない」というわけではないのです。
ガルバリウムを使用する場合は、懸念が無いかしっかりと工務店とすり合わせましょう。
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