注文住宅を建てる方必見!つなぎ融資のしくみと注意点
2023.10.06
「新潟で家を新築すると、どのくらいお金がかかるの?」
「自己資金がどのくらいあれば、余裕のある住宅ローンを組めるんだろう…?」
注文住宅にどのくらいのお金がかかるのか、少し調べれば、平均金額はすぐにわかります。しかし、その平均金額は恐らく全国平均でしょう。地方であり、政令指定都市でもある新潟の「注文住宅の平均価格」はどのくらいなのでしょうか。
今回は、新潟のさまざまな家づくりに携わってきた小林紘大さん監修の下、新潟で家づくりをするときの「お金の話」をリアルにまとめました。
新潟で家を新築するときの平均価格や、余裕をもった返済をするために必要な自己資金など、家づくりのお金回りを徹底的に解説します。
小林紘大さんがどんな人か気になる方は、新潟県HPの特集記事をご覧ください。
参考:【第21回 ピックアップ!地域づくり人】小林 紘大さん(新潟市/グリーンホームズ新潟、コウダイ企画室。)│新潟県
URL:https://www.pref.niigata.lg.jp/site/chiikiseisaku/201015chiikidukuribito.html
新潟で注文住宅を新築するには、おおよそ3,300万円ほどかかると考えておくといいでしょう。土地に約800万円、建物に約2,500万円かかり、合計で約3,300万円かかる計算です。
とはいえ、土地の価格はエリアや敷地面積、その他条件で大きく変わります。建物も土地同様、どんな建材を使い、どんな家を建てるのかで費用はかなりことなるでしょう。
土地のにかかるお金をなるべく抑えたいのなら、中央区以外のエリアがオススメです。中央区の土地は1坪あたり約37万円もするのに対し、西区や北区なら半額以下の価格で土地を買えます。中央区よりも「中央区から少しだけ離れた場所」の方が落ち着いた場所も多く、かえって生活しやすいかもしれません。
オススメなのは、通勤にも使いやすい国道402号のある西区の海沿いや、生活に必要な施設の揃った新潟競馬場付近です。どちらも国道やバイパスから程近く、ラッシュ時の渋滞こそあるものの中央区への距離は近いため、通勤で困ることはそうありません。
住宅ローンを組むときの頭金(自己資金)の目安は、新築にかかるお金の総額の20%以上が目安といわれています。例えば家を新築するのに3,300万円がかかるなら、自己資金の目安は660万円です。
頭金が多ければ多いほど、月々の返済負担は軽くなりますが、頭金を貯めるのに時間をかけすぎるのはオススメできません。賃貸と異なり、持ち家は住む期間が長くなるほどお得になります。例えば同じ3,300万円の家でも、40年住むなら1年あたり82万5,000円(3,300万円 / 40年)で、50年住むなら1年あたり66万円(3,300万円 / 50年)で住める計算になるからです。
年功序列制度はほとんど崩壊しているとはいえ、年齢を重ねるほどキャリアも積み重なり、年収は上がっていくことでしょう。年収が上がれば、月々の返済にかかる負担も軽くなっていきます。時間をかけて多くの自己資金を貯めるより、20%の自己資金を目安にお金を貯め、早めにローンを組んで家を建てた方がお得です。
新潟県で注文住宅を新築するときの費用を3,300万円、頭金を660万円だとすると、住宅ローンの融資額は2,640万円となります。全国平均では住宅ローンの融資額は3,000万円なので、新潟では少し余裕を持って住宅ローンを返済していけるといえるでしょう。
ところで、ローンを組んだりクレジットカードを使ったりするときに考えたい「返済負担率」をご存知でしょうか。
返済負担率とは、年収に対する年間の返済金額の割合を示す数値です。具体的には、次の計算式で求められます。
返済負担率 = 年間の合計返済額 / 年収額
一般的に、返済負担率は20~25%程度が目安、30%が上限といわれています。ローンの返済で生活が苦しくなったり、ほかのローンの審査が厳しくなったりしないよう、住宅ローンの返済負担率は20%程度になるようにするといいでしょう。
新潟県では30代の平均年収が400万円ほどなので、年収400万円の人の例を確認してみます。
年収400万円で返済負担率を20%に収めるなら、年間の返済額は80万円となり、月々の返済額は6万6,000円ほどがベストです。新築費用3,300万円の内、自己資金を660万円用意できたとして、残りは2,640万円。金利が3%だとすると返済額の合計は2,719万2,000円となり、月々6万6,600万円を返済したとして、約34年で完済できることになります。
頭金(自己資金)なしで家を新築することはできますが、オススメはできません。理由は、自己資金ゼロだと返済の負担が大きくなるからです。
自己資金がないということは、新築にかかるお金のすべてをローンでまかなうということです。自己資金がない分、家を建てるときの負担は小さくなるかもしれませんが、月々の返済負担は大きくなります。
また、自己資金の有無や割合で金利が変わることも多いです。例えば住宅ローンでよく使われる「フラット35」なら、費用全体のうちの自己資金が1割以下なら、金利が0.26%も増えます。
0.26%は小さな差に感じるかもしれませんが、住宅ローンは借り入れ額そのものが大きいため、金利差は無視できません。例えば3,300万円の0.26%は8万5,000円で、6畳用のエアコン2台が買えるほどの金額です。
「家は人生最大の買い物」と古くから言われています。増して注文住宅ともなれば、かかるお金も手間はさらに大きいです。無理のない資金計画を立て、後悔のない家づくりをしたいものです。
ある程度まとまった自己資金を用意するのは大変かもしれませんが、自己資金が多いほど返済の負担は軽くなります。そもそも、まとまった自己資金を用意できないのなら、まだ家づくりをする段階ではないのかもしれません。住宅ローンの返済が滞れば、せっかく建てた家が競売(家を強制的に売却されること)にかけられたり、任意売却(競売を避けるために自分から家を手放すこと)せざるを得なくなることもあるでしょう。
自己資金を用意することは、月々の返済負担を軽くするだけでなく、「家を建てても大丈夫だ」という保証にもなります。新しい家での暮らしを心置きなく楽しむためにも、資金計画は慎重に立てましょう。
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