二世帯住宅のメリット・デメリット・失敗しないための注意点
二世帯住宅モデルハウス(株式会社森山建設)

二世帯住宅のメリット・デメリット・失敗しないための注意点

2021.04.28

「親の介護を考えると、実家のそばに家を建てた方がいいかもしれない」
「共働きでお互いに仕事を続けたいから、育児や家事を両親にサポートしてもらいたい」

そんな風に考える人にとって、ひとつの選択肢となるのが二世帯住宅です。

二世帯住宅なら、育児や家事を両親に手伝ってもらいやすく、将来的な介護の不安も軽くなります。子世帯にとっても親世帯にとっても、二世帯住宅にはたくさんのメリットがあります。

もちろん、二世帯住宅にはデメリットもあります。よく考えずに建ててしまうと、子世帯にとっても親世帯にとっても、不便な家や窮屈な家になってしまうかもしれません。

そこで今回は、二世帯住宅のメリット・デメリット、失敗しないための注意点をお伝えします。後半では、さまざまなタイプの二世帯住宅を写真付きで紹介するので、家づくりのイメージもわきやすくなるはずでず。

家族みんなにとって暮らしやすい家を建てるために、ぜひお役立てください。

二世帯住宅のメリット

二世帯住宅には、たくさんのメリットがあります。そのメリットの多さに驚く人も多いでしょう。

まずは、二世帯住宅の主なメリットを5つ紹介します。子世帯と親世帯、それぞれのライフスタイルや家族構成を思い浮かべながら、一つひとつのメリットを確認していきましょう。

1. 親子で協力しながら暮らせる

二世帯住宅を建てる1つ目のメリットは、親子で協力しながら暮らせることです。

二世帯住宅では、幼稚園の送り迎えや子どもの相手など、子育てに関する協力も得やすいでしょう。家事も手伝ってもらいやすいので、特に共働き夫婦の「どちらが家事をするのか」「自分ばかり家事をしている」といった問題も起こりづらいです。

何より、人生の大先輩である親のアドバイスを受けながら、夫婦生活ができるのはありがたいものです。家事や子育ての分担や家族の時間の使い方など、子世帯だけではいくら話し合っても解決できなかった問題が、親世帯に相談したり間に入ってもらったりすることで簡単に解決することもあります。

親世帯にとっては「若い世帯と暮らす安心感」が得られます。年齢とともに足腰や気力が弱ってきても、若い世帯と一緒に暮らしていれば安心です。孫と日常的に触れ合えるのも、親世帯にとっては嬉しいでしょう。

2. 防犯につながる

二世帯住宅を建てる2つ目のメリットは、1世帯で暮らすよりも防犯につながることです。

子世帯だけ、親世帯だけで暮らすよりも、二世帯で暮らした方が「家に誰かがいる時間」は長くなります。泥棒にとって「常に人がいる家」ほど、入りづらい家はないでしょう。

このメリットは子世帯が共働きの世帯や、親世帯が旅行好きで、長期間不在になることの多い世帯にとっては特に魅力的です。

3. 住宅費を抑えられる

二世帯住宅を建てる3つ目のメリットは、住宅費を抑えられることです。

二世帯住宅を建てるなら、実家をリフォームしたり、建て替えたりすることをオススメします。実家のある土地に二世帯住宅を建てれば、新しい土地を買わずに済むからです。土地にお金がかからない分、建物により多くのお金をかけらます。

ただし、家そのものが大きくなり、水回りも複数設置することになるため、施工費そのものは1世帯の住宅より高めになるでしょう。

4. 水光熱費を抑えられる

二世帯住宅を建てる4つ目のメリットは、水光熱費を抑えられることです。

ご存知の通り、電気代や水道代、ガス代には「基本料金」が含まれています。基本料金はそう高くないかもしれませんが、毎月かかるものです。二世帯住宅なら、子世帯と親世帯が別々に暮らす場合と比べて、月々の基本料金を半分に抑えられます。

生活スペースの一部を共用すれば、水光熱費をさらに抑えられるでしょう。子世帯と親世帯が同じ部屋で過ごしていれば、電気代や空調費も半分です。お風呂を共用にすれば、水道代やガス代もかなり節約できるでしょう。

もちろん、基本料金を別々にし、子世帯と親世帯でお金の管理を分けている世帯も多いです。しかし、敢えて基本料金を一緒にして、生活費を節約することもできます。

5. 税金を抑えやすい

二世帯住宅を建てる5つ目のメリットは、税金を抑えやすいことです。

二世帯住宅は、家を建てるときの「不動産取得税」や実家を相続するときの「相続税」、土地にかかる「固定資産税」などを節約しやすいです。

二世帯住宅で一定の要件を満たせば、不動産取得税の控除が、1世帯だけの住宅の2倍になります。土地の固定資産税を抑えられる「小規模住宅用地」も適用しやすいです。小規模住宅用地として認められれば、相続税を8割も抑えられる「小規模宅地等の特例」も適用できます。

ただ、各制度の適用条件には細かな規定があり、自治体により異なります。失敗のないよう、設計段階から工務店とよく相談しましょう。

二世帯住宅のデメリット

二世帯住宅のメリットが想像以上に多くて、驚いた方もいるのではないでしょうか。二世帯住宅では、子世帯と親世帯で協力しながら、効率的で豊かな生活が営めます。

しかし、二世帯住宅にもデメリットはあります。性格やライフスタイルによっては、一つひとつのデメリットがかなり気になる人もいるでしょう。

次からは、家づくりに失敗しないために知っておきたい、二世帯住宅のデメリットを紹介します。デメリットを軽くするためにできることもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 世代の違いに戸惑うことも…

二世帯住宅を建てる1つ目のデメリットは、毎日の暮らしで、世代の違いに戸惑うこともあるかもしれないことです。

子世帯と親世帯では、世代の違いによる価値観の違いも大きいでしょう。長い間、一緒に暮らしてきた親子だからこそ、「自分たちの世代とは考え方が違うな」と感じる場面もたくさんあったはずです。

一緒に暮らしてから価値観の違いで戸惑うことのないよう、二世帯住宅を建てる前に、お互いよく話し合いましょう。共同生活が始まってからは、子世帯も親世帯も、広い器で互いの考え方を尊重し合いたいものです。

2. 生活していて気を遣うことも…

二世帯住宅を建てる2つ目のデメリットは、生活で気を遣う場面が増えることです。

このデメリットは、一緒に暮らす親世帯が「義理の両親」である側にとって、特に気になるものでしょう。親世帯がいくら寛容で気さくな人柄だったとしても、パートナーの両親だと思うと気を遣ってしまうものです。それは、義理の両親にとっても同じでしょう。

家の中で孤立する人を出さないよう、パートナーであり、親世帯の実の子どもである人の配慮が欠かせません。

3. プライバシーが確保しづらい

二世帯住宅を建てる3つ目のデメリットは、家の中でプライバシーを確保しづらくなることです。

単純に、二世帯住宅には1世帯だけの住宅よりも、たくさんの人が暮らすことになります。十分な広さがなかったり、間取りが良くなかったりすると、1人になれる時間をなかなか確保できません。

それぞれがプライバシーを確保し、自分の時間を持てるよう、親子一緒に工務店とよく相談しましょう。

3タイプの二世帯住宅、それぞれのメリット・デメリット

二世帯住宅と一口に言っても、実はいろいろなタイプがあります。

次からは、3タイプの二世帯住宅について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説していきます。ここまでお伝えしてきた二世帯住宅のデメリットを軽減し、メリットを最大限に活かすために、自分たちに合ったタイプはどれなのか考えてみましょう。

完全同居型

完全同居型の二世帯住宅は、特に生活スペースを分けることなく、2世帯で暮らすタイプです。建物自体は普通の一戸建てとそう変わりません。

完全同居型のメリットは、ほかのタイプと比べて施工費が安いことや、子世帯だけで暮らすようになっても使いやすいことです。浴室やリビングなどのスペースを共用するため、水光熱費の節約もしやすいでしょう。

デメリットはプライバシーを確保しづらいこと、世帯ごとの水光熱費を把握しづらいことです。完全同居型を建てるなら、ある程度の広さと部屋数を確保しなければ、落ち着いて暮らせないかもしれません。

部分共用型

部分共用型の二世帯住宅は、住宅の一部を共用しながら、子世帯と親世帯で生活スペースを分けるタイプです。主に玄関や浴室を共用し、1階で親世帯が、2階で子世帯が暮らすというように、生活スペースを切り分けます。

部分共用型の最も大きなメリットは、子世帯と親世帯で適度な距離感を保ちやすいことです。生活スペースを分けることで、プライバシーの確保や世代による価値観の違いに対応しながら、リビングや浴室の共有で水光熱費もしっかり抑えられます。

建物の構造自体は通常の住宅とそう変わらないため、1世帯だけで暮らすことになっても使いやすいでしょう。3タイプの二世帯住宅の中で、大きなデメリットのないバランス型といえます。

完全分離型

完全分離型の二世帯住宅は、玄関も浴室も完全に分かれたタイプです。二世帯住宅と聞いて、完全分離型を思い浮かべる人も多いでしょう。

完全分離型のメリットは、子世帯と親世帯が、それぞれ「お隣さん」になるような感覚で暮らせることです。浴室やリビングなどの「生活に欠かせない設備や部屋」を完全に分けられるので、互いに気を使う必要がありません。

プライバシーを確保しづらい生活リズムや価値観の違いに気を遣うなどのデメリットを取り除き、育児のサポートや生活の相談といった二世帯住宅のメリットだけを感じられるでしょう。

ただし、生活スペースが分かれているため、世帯間での家事分担はしづらいです。建物も大きく、各設備を2つずつ設けることになるため、施工費も高くなるでしょう。

なお、1世帯だけで暮らすことになったときは、使わない側を賃貸として運用することもできます。賃貸運用すれば、リフォームにかかるお金を節約できるどころか、不動産収入まで得られます。

二世帯住宅で失敗しないためのポイント

二世帯住宅はメリットも多い反面、一つひとつのデメリットが重くのしかかるといえます。メリット・デメリットや、それぞれの世帯の価値観・生活リズムの違いをよく理解し、自分たちに合った二世帯住宅を建てるようにしましょう。

二世帯住宅で失敗しないためには、親子、夫婦間でよく話し合うことが欠かせません。義理の両親や子どもには、直接言いづらいこともあるでしょう。子世帯と親世帯で一緒に話し合うのはもちろん、子世帯だけ、親世帯だけでの話し合いも大切です。

そのうえで、パートナーは両者の橋渡しになり、全員が納得できる二世帯住宅を考えなければなりません。話がある程度まとまったり、問題が発生するたびに、工務店にもこまめに相談しましょう。

工務店の担当者が、ある程度の年齢でありながら、若い世代の考え方も理解してくれるような人だとなお良いです。

二世帯住宅の施工事例を紹介

【Mockhouse】二世帯住宅モデルハウス|株式会社森山建設の建築実例|新潟
 この住まいのコンセプトは「家族の大切な距離」。 二世帯の空間と各家族のプライベートスペースの調和がテーマです。吹き抜けでつながるダイニング

コンセプトは「家族の大切な距離」。プライベートと二世帯の暮らしがうまく調和し、家族の距離を考えた住まいです。

 

二世帯住宅のメリットを活かすために、親子や工務店とよく相談しよう

二世帯住宅は、住む人、建てる人を選びます。親子関係が良好な家庭、パートナーや義理の子どもにきちんと配慮できる人でなければ、二世帯住宅での暮らしは難しいでしょう。

そのために大切なのが、相談です。子世帯・親世帯だけでの相談、実の親子同士での相談も欠かせません。全員が本音を言える環境をつくり、意見をまとめたうえで、工務店ともよく相談しましょう。

とはいえ、理屈だけでは二世帯住宅で暮らすイメージはわかないかもしれません。ここまで身につけてきた知識を頭の片隅に置いて、インターネットや住宅展示場で、二世帯住宅の施工事例を見てみてください。
さまざまなタイプ、間取りの施工事例を見れば、どんな二世帯住宅が暮らしやすいのかイメージしやすいでしょう。

この記事を書いたひと
モックハウスマガジン編集部
モックハウスマガジン編集部

モックハウスマガジンの編集部員。
家づくりの気になる疑問や、知ってほしい情報を日々お届けしています。

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