新築の天井高さはどう決める?メリットとデメリットから考えてみよう
2023.10.14
家族構成やライフスタイルの変化を見据え、長期的な視野で新築住宅を考えるのはとても大切なことです。子供が成長したり、家族が増えたりした場合、その時々で、快適な生活環境を維持するためには、設計の段階であらかじめ想定しておく必要があります。
本記事では、「家族の構成の変化に対応できる家」や「将来的に間取りを変えやすい設計」をテーマにお送りします。先を見据えたフレキシブルな家づくりについて、一緒に考えてみましょう!
「家族の構成の変化に対応できる家」や「将来的に間取りを変えやすい設計」とは、具体的にどのような家なのでしょうか。今回は次の4つのポイントに絞って解説します。
ひとつめのポイントは、壁で区切った個室を減らしなるべくオープンな間取りにするというものです。親御さんや子どもたちの部屋のほかに、近年ではリモートワークやオンライン授業なども増えてきたため、個室空間の重要性も増していますが、完全な個室として区切ってしまうと、将来的に対応しにくくなってしまうという恐れもあります。
なるべくオープンな間取りを心がけ、家具やパーテーションを上手く使って区切るという方法を模索してみましょう。家族構成に合わせて柔軟に対応できる、可変性のある家を目指してみてください。
必要に応じて部屋を完全に区切りたいという要望がある場合は、可動式の間仕切りや家具を採用するというアイデアもあります。例えば、子どもが小さいとき、ひとりめのときなどは1部屋をまるごと使い、大きくなったり兄妹ができたときに、簡単に区切ることが可能です。
また、リビングの一角を可動式の家具で区切るようにしておけば、リモートワーク部屋を設けることも可能です。子どもの成長だけでなく、家族全体のライフスタイルに合わせた柔軟な家になります。
「部屋の用途を固定化しない」というのも、柔軟性のある家づくりのポイントです。とくに子ども部屋などは、成長するとあっという間に使用目的が変わり、数年〜十数年で使わなくなってしまう可能性もあります。
「子ども部屋」「書斎」といった部屋の用途を固定せず、さまざまな目的で使える余地を、あらかじめ残しておきましょう。
内装や間取りのシンプルさも柔軟性のある家にするためのポイントです。住宅雑誌やSNSなどにはさまざまな注文住宅のサンプル写真が並んでおり、なかには遊び心や暮らしやすさを追求したデザインや間取りを見かけます。
ついつい自分もそんな家を建ててみたい!と思ってしまいがちですが、凝った内装やデザインは、数年もすると考えが変わって飽きてしまうかもしれません。また、家族構成が変わったり、子どもが成長する頃には、あまり便利な間取りではなくなってしまう可能性もあります。
将来を見据えた柔軟性のある家にしたいなら、デザインや間取りはシンプルな方が、あとあと対応しやすいといえます。
「家族の構成の変化に対応できる家」や「将来的に間取りを変えやすい設計」の基本を解説したところで、ここからはより具体的なポイントを紹介していきます。建築士からみた、もう少し専門的なアドバイスもあるので、ぜひじっくりと読んでみてください。
耐力壁は建物の構造を支える重要な要素であり、安全性を高めるために必要なものですが、建物の内部に設置すると、将来的に間取りの変更が困難になります。そのため、なるべく外側に配置するというアイデアです。耐力壁を外側に配置することで、リフォームも視野に入れた、将来的な間取りの変更に対応しやすくなります。ただし外側に配置する場合は、建物の強度や耐震性を考慮して十分な支持力を確保する必要があります。
水回り設備をまとめて配置し、将来的にリフォームしやすくするというアイデアです。たとえば、キッチンのシンクやコンロ、食洗機などをまとめて配置すると、水やガス、電気の配管も一箇所に集中させることができます。同様に、トイレや洗面所などの位置も検討してみましょう。
水回り設備をまとめて配置しリフォーム作業をスムーズに行えるようにしておくことで、費用も抑えられるほか、メンテナンスしやすくなるといったメリットがあります。
「水回りの集中」に関連して、1階にまとめておくというのもおすすめの方法です。水回り設備を1階に集中させることで、上階の床や天井に影響を与えずにリフォームが可能になります。
また、水回り設備を1階にまとめると、空間の有効活用ができるため、リビングやダイニングなどのスペースを広く取れるといったメリットもあります。配管の長さが短くなるぶん、メンテナンスや修理がしやすくなるというのも利点です。
子ども部屋の間仕切りを新築時にしないことにより、将来的なリフォームの自由度は高くなります。子どもの成長に伴い、部屋の使い方が変わることは十分にありえる話です。間仕切りを設置しないことで、スペースを有効活用でき、さまざまな目的で使うことができます。間仕切りをしない場合でも、家具やカーテンでスペースを分けることで、プライバシー対策やノイズを軽減することは可能です。
コウダイコメント
将来的に1部屋をセパレートする場合は、採光や電気配線の計画はしっかりとチェックしておきましょう。部屋を区切ってみたら、「片方の部屋にコンセントがひとつもない」、「天井に照明が付けられない」といった事態にならないように、十分注意しておきたいところです。
ここからは、Mockhouseに掲載されている施工事例を見ていきます。とくにこども部屋は、仕切って使えるようにしている家も増えてきています。
スライド式の壁を設け、部屋の間取りを変更できるようにしていますね。すべて区切らないことで、閉塞感を回避し適度な開放感を得られるような設計です。
ドアを2箇所に設置し、将来的に部屋をセパレートできるようにしています。床材や壁紙も非常にシンプルなため、長く使える飽きのこないデザインになっているところにも注目です。
このお部屋も中央で綺麗に区切れるようになっています。窓や造作で設けたデスク(勉強机)、小さなクローゼットなど、とてもシンプルで使いやすそうなデザインですね。
「家族の構成の変化に対応できる家」について解説しました。部屋の増築や間仕切りの追加など、柔軟に対応できる家づくりを選ぶ人も増えています。
家族の構成やライフスタイルの変化は避けられないものですが、考えすぎてしまったり、凝りすぎて動けなくなってしまわないように注意したいものです。優先順位やバランスを考え、自分たちが本当に住みたい家をじっくりと検討してみましょう。
2023.10.14
2023.10.13
2023.10.04
2023.09.29
2023.09.27
2023.09.15