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新築住宅で「リビング階段」を採用するときのポイントとは? メリット・デメリットも解説

新築住宅で「リビング階段」を採用するときのポイントとは? メリット・デメリットも解説
2023.02.22

新築住宅を考えるとき、大きな検討ポイントになるのが「階段」です。1階と2階をつなぎ、生活動線や設計全体のコンセプトにも影響します。

本記事では、そんな階段周りで主流になっている「リビング階段」について解説していきます。メリット・デメリットから検討するときの注意点、施工事例まで紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を書いたひと
小林紘大
小林紘大

新潟市内の工務店で家づくりの実務経験を積んだ後にコウダイ企画室。としてフリーランス建築士として活動中。
「楽しい暮らしは自分でつくる」をモットーに新潟の家づくりを楽しく応援していています。

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リビング階段とは

「リビング階段」とは、文字通りリビングに階段を設置した間取りのことで、「リビングイン階段」と呼ばれることもあります。

以前の日本家屋は玄関から廊下に上がり各部屋につながる間取りが主流で、階段も廊下から上り下りするのが一般的でしたが、最近では限られた敷地面積を有効に活かすためや、開放感を得られるといった理由から、リビングに階段を設ける間取りも一般的になっています。

リビングに階段を設置するメリットとデメリット

リビング階段にはどんなメリットがあるのでしょうか。反対に、デメリットになるところも確認しておきましょう。

メリット1. 吹き抜け構造との相性が良い

ひとつ目のメリットは「吹き抜け構造との相性の良さ」です。リビング階段は、リビングから2階につながる間取りのため「吹き抜け」と組み合わせることで、より開放感を得ることができます。

リビングに階段があると、圧迫感を感じるかもと心配になるかもしれません。そのため、あらかじめある程度の広さが必要になりますが、必ずしも広さを確保できないケースもあります。そんなときこそ、吹き抜けとリビング階段を組み合わせた間取りがおすすめです。

メリット2. 家族のコミュニケーションが活発になる

ふたつ目のメリットは「家族のコミュニケーションが活発になる」です。生活のメインとなるリビングに階段があると、家族間のコミュニケーションの活発化が期待できます。

リビングで過ごしたい人、2階の部屋で過ごしたい人、トイレやお風呂などを利用するタイミングなど、住んでいる人が頻繁に行き来する「中継地点」になるのがリビング階段です。子どもが思春期から大人になる年齢は、少しずつ親子の会話も減っていくというデータも過去にあったそうです。そんなときリビングに階段があると、会話をするタイミングも増えるかもしれません。互いの顔を確認し合う機会があるだけでも、違いますね。

メリット3. 家全体が明るくなる

3つ目は「家全体が明るくなる」です。これは採光と雰囲気、両方の意味だと思ってください。

リビングに階段があると、吹き抜けや2階からの光が入ってくるような設計(採光計画)にすることで、常に暖かい光を取り入れることができます。また、リビングと2階同士の賑やかな気配を感じやすいところも魅力ですね。家全体の”一体感”のようなものをより感じやすいのが、リビング階段といえます。

メリット4. 家族の帰宅・外出(家の出入り)を把握しやすくなる

4つ目は、メリット2〜3でもすでに紹介していますが「家族の行動や気配を把握しやすい」という点です。ひと昔前は、仕事が忙しいパートナー、部活や習い事で忙しい子どもなど、お互いが何をしているのかまったく分からないということがよくありました。

「中継地点」の役割も担ってくれるリビング階段があることで、コミュニケーションの機会が増え、そういったすれ違いも防ぎやすくなります。

デメリット1. 音やにおいが広がりやすい

デメリットについても把握しておきましょう。

1つ目は「音やにおいが広がりやすい」ところです。リビングに階段があることで、2階スペースとダイレクトにつながるため、音やにおいまで感じやすくなってしまいます。

キッチンの音や料理の香り、仕事が遅くなり深夜に帰宅してきた人の物音などが、2階で生活している人にも伝わりやすくなってしまうため、あらかじめ対策などを考えておきましょう。

デメリット2. 冷暖房の効率が悪い

2つ目は、「冷暖房の効率が悪くなる」です。階段でリビングと2階がダイレクトにつながるため、冷暖房の効率が落ちてしまうのは事実です。物理上、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ移動します。とくにリビング階段と相性の良い吹き抜け構造の家などは、その影響も受けやすくなります。

デメリット3. プライバシーの確保問題

3つ目は、「プライバシーの確保問題」です。メリットがそのままデメリットとなってしまうケースですね。子どもやパートナーの友人が2階の部屋に遊びに来ていても、家族が過ごしているリビングを必ず通ることになります。機嫌が悪いときはひとりで過ごしたいときも人の気配を感じやすいのが、リビング階段のある家です。

リビング階段は家の「中継地点」としての役割も大きいため、家族間のプライバシーをどう確保するかといった点には、あらかじめ考えておく必要があるかもしれません。

どんなところに注目すべき?リビング階段づくりのポイント

メリット・デメリットを確認したところで、ここからは「リビング階段づくりで大切なポイント」について見ていきましょう。

寒さ対策をする

最も重要なのが「寒さ対策」です。しっかりと住宅性能を確保しておかないと、なかなか暖かくならない家になってしまいます。

対策としては窓に性能の高いサッシを採用したり、天井にシーリングファンを設置して空気を循環させるといった方法もありますが、やはり基本的な住宅性能の確保が先決ですね。

階段の位置を検討する

階段の位置も、その家の表情を決める重要なポイントです。出入り口から階段までの間にソファーやテレビがあると、途端に居心地の悪いリビングになってしまうかもしれません。換気や採光、生活導線などさまざまな要素に関わってくるものなので、しっかりと検討していきましょう。

階段下スペースの使い道を考えておく

リビング階段を設置すると、階段下にデッドスペースが生まれます。そのままデザインとして残しておくのもいいですが、収納スペースとして活用するという方法もあります。

ペットの寝床やロボット掃除機の充電場所にしたりなど、いろいろなアイデアがあるので、ぜひ有効に活用してみましょう。

階段の種類や形にもこだわる

階段そのものの種類や形状も検討ポイントです。あまりに奇抜なデザインだったりすると一体感を失い、違和感のあるリビングになってしまいます。おすすめは、インテリアの一部として機能する階段です。

小林 紘大
小林 紘大

余談ですが、大工仕事でいちばん難易度が高いとされるのが階段だそうです。職人の腕が試される設備のため、階段がしっかりと作れると一人前の大工として認められるとか。モデルハウス見学会などに行ったら、そんなことを思いながら階段に注目してみるのも面白いですよ!

Mockhouseの施工事例

ここでは、Mockhouseに掲載されているリビング階段の施工事例を紹介します。これまでに紹介してきた「吹き抜け」「生活動線」「採光」「階段の位置」「種類や形状」なども、合わせてチェックしてみてください。

明るく開放的な心富ませる住宅【SKY BALCONY HOUSE】(TAC HOME タックホーム)

下にあるのがロフトへの階段、上にあるのが2階にアクセスする階段です。デザインを統一し一体感が生まれていますね。梁や柱をそのまま残したり、小窓を設け光を取り入れています。

American Vintage(株式会社グリーンハウスシミズ)

マッドなスチール階段が白い壁と木目に綺麗にマッチしています。家具も揃えているので、落ち着きのある空間が出来上がっていますね。階段下にはなにも置かずに、光が通りやすくなっています。

ゆとり空間とこだわりが詰まったスタイリッシュハウス(ニコハウス株式会社)

こちらも吹き抜け+スチール階段です。梁や柱も黒を採用したモノトーンデザインがオシャレですね。階段の形状が先ほどの事例とは少し違うようです。モノトーンカラーと相まって、よりモダンでインダストリアルな印象に仕上がっています。

リビング階段はコンセプトの中心にもなる設備

「リビング階段」について解説してきました。階段はその家のコンセプトの中心になるほど重要な設備です。オシャレでモダンな印象を与えてくれる反面、じっくりと検討しないと、思わぬところで躓いてしまうかもしれません。本記事で紹介した実例を参考に、ぜひ納得のいくところまでこだわってみてください。

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