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新築住宅で「中庭」を作りたい! 中庭のメリットとデメリットまとめ

新築住宅で「中庭」を作りたい! 中庭のメリットとデメリットまとめ
2023.02.08

「中庭のある家」と聞くと何を想像しますか?「お金持ち」や「豪華で贅沢な家」といったイメージを持っている人も多いかもしれません。中庭のある家は憧れがある一方、メリットやデメリットがあまり知られていない間取りともいえます。

そこで、本記事では「中庭のある家」の基本的な概要や特徴などを紹介します。実際に、中庭を作りたいと考えている施主は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いたひと
小林紘大
小林紘大

新潟市内の工務店で家づくりの実務経験を積んだ後にコウダイ企画室。としてフリーランス建築士として活動中。
「楽しい暮らしは自分でつくる」をモットーに新潟の家づくりを楽しく応援していています。

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種類別でみる「中庭」

はじめに中庭の種類から見ていきましょう。中庭には、大きく分けて次の3つの種類があります。

  • コの字型
  • ロの字型
  • 町家型・L字型(その他)

順番に解説します。

コの字型

建物をカタカナの「コの字」に設計し、空いたスペースに中庭を確保したタイプです。庭は三方から囲まれているかたちになっており、完全に閉じ切るものではありません。ある程度、近隣の視線を遮りながらも1辺はオープンになっているため、圧迫感や閉塞感を緩和できます。

ロの字型

建物をカタカナの「ロの字」に設計し、空いたスペースをそのまま中庭にするタイプです。庭を四方から完全に囲ってしまうので、完全にプライベートなスペースとして使える点が最大の特徴となっています。周囲の視線はもちろん、高い建物からの視線もある程度は遮ることが可能なうえ、屋内は、どこにいても中庭からの光を取り込めます。一方、建物の中心部を庭にするという設計の都合上、広い敷地が必要です。

町家型・L字型(その他)

「町家型」は、“うなぎの寝床”と呼ばれるような長細い作りの建物に、中庭が点在しているような間取りです。一部はコの字型になっていたり、また別のところではL字型になっていたりと、多種多様ですが、敷地や建物の特徴を上手く活用し、効果的に光を取り込むような間取りになっています。

「L字型」は、建物がL字になっており、最も間取りへの影響が少ない中庭です。敷地面積への影響が少ないぶん、外に向かって開放されている面が多いため、周辺からの影響は受けやすくなっています。

中庭のある家の暮らしとは?

3つの中庭の特徴を解説したところで、ここからは中庭のメリットやデメリットを紹介します。広い敷地や高度な設計技術が必要なだけあって、一般的な2階建にはない魅力がたくさんあります。

プライバシーを確保しながら光を取り込める

最も大きなメリットといえば、「プライバシーを確保しながら光を取り込める」という点でしょう。注文住宅で家づくりを進めるときは、必ず「採光」を考えなければなりません。昼間でも薄暗い家より、適度に光が入り込む明るい家にしたいと考える施主が大多数です。

中庭のある家なら、建物の方角や周囲の視線(プライベート)を考慮しながら、しっかりと光を取り込むことが可能です。注文住宅の利点を最大限に活かせる側面ともいえますね。

安心して庭や室内でくつろげる

自宅の庭にどんな機能を求めているかにもよりますが、中庭は「安心して過せるプライベートスペース」になってくれます。コの字型やロの字型なら、近隣や道路からの視線を適度に遮り、プライバシーをしっかりと確保可能です。

屋内の「中庭に面した部屋」も同様の理由から、周囲の目を気にせず過ごせるようになります。ときどき”カーテンを付けたくない”という施主を見かけますが、そんな要望にも応えられるのが中庭の魅力ですね。

風の通り道を確保しやすい

天気の良い日には窓を開けることで、気持ちのいい風を取り込みたくなるものです。しかしながら、窓が近隣住宅と近い位置にあったり、道路に面していたりすると、視線や排気ガスが気になって開けにくいという人も多いのではないでしょうか。コの字型やロの字型の中庭なら、気兼ねなく窓を開けっ放しにできます。

また設計上、壁面が多くなるため窓の数も増やすことが可能です。季節によって日当たりや風の通り道を考えながら、さまざまな方角の窓を設置できますよ。

二世帯住宅の「干渉地」としての役割も

中庭は二世帯住宅の「干渉地」としての役割も持っています。施主の家族のほかに、両親の家を別で作るのではなく、二世帯住宅にして中庭を設けることで、緩やかな距離を保つことが可能です。

中庭で互いにゆっくり過ごしたり、週末に一緒にバーベキューをしたりといったイメージです。

「中庭のある家」の検討ポイントを整理する

ここからは、実際に中庭のある家をつくるときの検討ポイントを考えてみましょう。中庭には多くの魅力がある反面、デメリットや注意点もあります。

一定以上の敷地が必要

最初に考えなければならないのが、敷地面積です。通常なら2階建で済むところを、さまざまな理由から中庭を設置するわけですから、それなりの広さが必要です。

庭の排水を確保する

「庭の排水」もしっかりと検討しなければなりません。少量程度の雨なら地面が吸収してくれますが、大雨や雪が積もったりすると、外に排出する必要があります。最近では、中庭を土ではなくブロックや石畳にするというケースも少なくありません。

庭木はいつ植える?

中庭にシンボルツリーといった植物を植えたいと考えている人は、「植え込むタイミング」に注意しましょう。小さい木ならば、家が完成したあとでも問題ありませんが、ある程度のサイズに育った木を植えたい場合は、家の中を通って手で運び込むのは困難であり、クレーンで搬入するのはコストがかかります。現場監督に事前に確認するなど、計画性を持って進める必要があります。

生活動線が長くなりがち

「生活動線が長くなりがち」という点についても検討してほしいところです。家の一部がコの字型やロの字に区切ってある間取りなため、必然的に(屋内を)歩く距離が長くなってしまいます。区画ごとにトイレや浴室を作るわけにもいきませんし、夜中も雨の日も、常に中庭を通ってショートカットするというのも考えものです。

コストが割高になる

「敷地面積」と並んで壁になるのがコストの問題です。中庭のある家は一般的な2階建に比べ、コストがかかってしまいます。建築費用のようなイニシャルコストはもちろん、メンテナンスなどのランニングコストも無視できません。

施工事例

ここからは、中庭を設けた家の施工事例を紹介します。これまで解説したメリットやデメリットといったポイントを振り返りながら実例を見ると、イメージしやすくなります。

中庭は敷地や予算も含め序盤から要望しておく

「中庭のある家」について解説しました。中庭に憧れを持つ施主は少なくなく、注文住宅の花形のひとつともいえるかもしれませんが、快適な暮らしを実現するためのさまざまなメリットもあります。

私からもうひとつ検討ポイントを付け加えるなら、「中庭で何をしたいのか」をしっかりと考えてから計画して欲しいという点です。換気計画やプライベートの確保は中庭が無くてもできます。あえて中庭を設ける理由や目的を明確にしておきましょう。

また、コの字型やロの字型といった家は耐震性や断熱性といった住宅性能にも影響します。実際に、中庭のある家を考えている施主は、ぜひ経験のある住宅会社や設計士を選ぶのがおすすめです。

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