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新築住宅でテレワーク対応に適した間取りとは?現役設計士が解説します

新築住宅でテレワーク対応に適した間取りとは?現役設計士が解説します
趣味を楽しむ中庭のある家(DETAIL HOME(ディテールホーム))
2023.01.30

2020年の年明けからはじまった、新型コロナウイルス蔓延防止対策として「テレワーク」や「リモートワーク」への需要が高まりました。オンラインでのビデオ会議やチャットツールが一気に普及し、ワークフローも大きく変わったのではないでしょうか。また”オンラインで完結するなら”ということで、思い切ってフリーランスに転向する人も見かけます。

私たち建築業界にも関連ニーズは増えており、仕事に集中するためやちょっとした作業をするためのスペースが欲しいという声も多く耳にするようになりました。

そこで本記事では「テレワーク対応に適した間取り」をテーマに、在宅ワーカーやテレワークへのニーズを満たす家づくり・間取りについて、これまでの経験や考えを紹介します。

この記事を書いたひと
小林紘大
小林紘大

新潟市内の工務店で家づくりの実務経験を積んだ後にコウダイ企画室。としてフリーランス建築士として活動中。
「楽しい暮らしは自分でつくる」をモットーに新潟の家づくりを楽しく応援していています。

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テレワーク需要を満たす間取りとは?

家で仕事をするとは、多くのビジネスパーソンにとってこれまで馴染みが無かったワークスタイルではないでしょうか。2010年代にはSNSで「サラリーマンかフリーランスか?」といった論争を見かけることがあります。経験がないとテレワークという働き方へのイメージがなかなかわかないため、上記のような比較をしてしまうのも無理はないのかもしれません。

「家で仕事をする」というワークスタイルを家づくり目線で考えてみると、間取りに必要な条件はいくつか思い浮かびます。ここでは、次の3つを挙げてみます。

オンとオフを切り替える

仕事とプライベートの切り替えは大切です。家族がいると、つい気が散ってしまって大切な仕事に集中できないかもしれませんし、話しかけられたり、別な用事を頼まれたりといったこともあるでしょう。

また、ひとり暮らしの場合はどうでしょうか。朝起きてオフィスに出社する必要もなければ、上司や同僚の監視の目もありません。動画サイトを見ても、おやつを食べても誰にも咎められることもないため、ついついだらけてしまいがちです。

しっかりと仕事に集中できる環境を、家の中に用意しておく必要がありそうですね。

セキュリティはどうする?

取り扱う情報によっては、セキュリティ対策をしっかりと行っておく必要がありそうです。多くの会社では、たとえ家族が相手であっても、業務上で知り得た内容は教えてはいけない決まりがあります。パソコンのデータのほかに、顧客や同僚との会話などにも気をつけなければなりません。

費用面や将来性は?

寝室やリビングの片隅に小さな書斎を設けるにせよ、専用のワークスペースを作るにせよ、快適なテレワークの要件を満たす間取りとなると、そのぶんだけ費用がかかってきます。

「集中できる仕事部屋」を作るだけなら、専用の間取りを設ければ済みますが、テレワークがいつまで続くかわからない点が、多くの人にとっての心配事ではないでしょうか。将来的に、使わなくなってしまう設備に予算を使うよりも、住宅性能といったほかの部分にかけたほうが良いかもしれません。

テレワーク対応に適した間取りアイデア

ちょっとした事務作業を家でする場合、多くの仕事を会社で済ませていた頃は、ダイニングテーブルなどを兼用して使うというケースが多かったのではないでしょうか。本格的にテレワークをする場合は、食事のたびに作業が中断しますし、テーブルの上や周囲が散らかってしまうため、あまりおすすめしません。テレワークをする場合は、専用のデスクをしっかりと準備しましょう。

次からは、具体的に「テレワーク需要を満たす間取り」のアイデアを紹介します。前述した、3つの条件に照らし合わせながら読んでみてください。

家事導線上に置く

キッチンやランドリーに近い場所に設置します。仕事と家事を同時並行したい人におすすめのアイデアです。テレワークの本来のメリットとして、家事も柔軟に行うことができるという点があります。

間取りで考えた場合、リビングやダイニングから距離が離れているケースも多いため、意外と仕事に集中しやすい環境といえます。寝室やリビングに比べ、多少なら散らかってもいいかなという点も、向いているのではないでしょうか。

リビングダイニングの一角

 

今度は反対に「リビングやダイニングの一角」というアイデアです。こちらも結構要望が多く、施工事例などでもよく見かけます。

家族が一番長く過ごす場所のため、さまざまなシーンで活用できる間取りです。仕事だけでなく、子供の宿題やちょっとした事務作業にも使えます。テレワークが無くなったときまで考えた、将来性のあるスペースづくりです。

階段下・ホールなど

 

階段下や吹き抜けに面したホールに設置するというケースもあります。階段や吹き抜けに面した場所は、採光のため窓を多く設けたり、広く視線の抜けてる場所に設置することが多く、集中しやすい環境だったりもするからです。設計段階で「窓から見える景色」も考慮すれば、家のなかで最も心地良い場所になるかもしれません。LDKとそれなりに距離がある場所に設置できるという点も、仕事向きですね。

寝室と連動させる

 

寝室にデスクを置いてテレワーク部屋と兼用するというアイデアです。こちらも、LDK と離れている間取りが多いため仕事がしやすい条件が揃っています。大人の書斎というイメージで、子どもに触らせたくない重要な書類やビデオチャット時におすすめです。ただし、仕事と就寝のタイミングが重なってしまう場合には注意しましょう。

完全独立型

 

長時間集中して作業が必要な場合や、専用の仕事道具が多い場合は書斎や専用部屋を設置するのも、もちろん可能です。

専用部屋を設ける場合も、ここまでで紹介してきた「家事動線」や「他の部屋との位置」「家族との生活サイクル」「セキュリティ」「集中できる環境」といった要件はかわりません。どんな目的で使いたいかをしっかりと考えて検討してみましょう。

 

小林 紘大
小林 紘大

テレワーク対応で忘れがちなのが「空調」です。テレワーク部屋はプライバシー性を高める反面、空調設備が弱くなりがちです。リビングやダイニングといった主要な部屋以外には、あまりエアコンなどを設置しないため、夏は暑く冬は寒いといったスペースになってしまいます。換気もしにくいかもしれません。ワークスペースを検討するときは、ぜひ空調も考慮しましょう。

新潟県の注文住宅でも需要は増えている

新潟県の注文住宅でも、テレワーク対応への需要はほんとうに増えてきました。アフターコロナ以降の現在(2023年1月)もこの傾向は続き、完全テレワークや、ハイブリッドワークといった柔軟な勤務形態に対応できる間取りづくりが建築業界でも要求されています。同じ建築士の友人も、ここ数年でテレワークスペースのプランを研究したおかげで経験値を積んだと言っていました。

Mock houseに掲載されている施工事例にも、コロナ禍で施工された住宅の実例が多く、数年前には少なかった「テレワーク対応の間取り例」を写真でわかりやすく見ることができます。

もし興味があれば、ぜひそちらの事例集もご覧になってみてください。

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