Mockhouse新潟

新潟最大級の家づくり情報サイト「モックハウス」

  • 自然素材の家
  • 高気密・高断熱
  • 平屋

【専門家が解説】もし将来、住宅ローンの返済が苦しくなったら?

【専門家が解説】もし将来、住宅ローンの返済が苦しくなったら?
2021.10.15

住宅ローンは長く安定して支払っていくものですね。
どなたも熟考したうえで、支払い能力が足りるものとして契約しているはずです。

しかし住宅ローンを払い終えるまでには数十年かかります。
完済までの時代の流れや、勤め先の状況、また自営業の場合は事業環境など、先を読むことは難しいでしょう。

万が一の備えとして、もしも将来ローンの返済が苦しくなったとき、具体的にどのようなことができるかを確認していきましょう。

住宅ローンの審査や審査通過のために必要なこと、自営業で住宅ローンを組みたい方に対する記事はこちらをお確かめください。

専門家が教える、住宅ローンの「審査基準」と落ちたときの対策|マガジンを読む|モックハウス
住宅ローンは金融機関が多額の資金を融資するものですが、金融機関では住宅ローンの申込者の返済能力を調べるため、簡単に契約を結ぶことはできません。本記事では住宅ローンについて、審査の流れや審査基準、万一審査が通過できなかったときにどうしたらよいかを解説していきます。
自営業でも住宅ローンを組みたい!審査では何を見られるのか|マガジンを読む|モックハウス
自営業の場合、住宅ローンが組みにくいと聞いたことはありませんか? 住宅ローンは数十年に渡り、長く支払い続けていくものですから、金融機関も安定して支払える見込みのある人に融資したいわけです。 会社員では企業から毎月一定の給与として収入を得…

 

この記事を書いたひと
岩切 健一郎
岩切 健一郎

1986年生まれ。宮崎出身新潟在住のFP。
新潟大学卒業後、コンサルティング会社と外資系生命保険会社を経て現職。
月間PV最大25,000のnoteを執筆。最近は、3歳の娘と公園に行くことが楽しみ。

モックハウスをフォローする

 

建築実例をみる

住宅ローンの返済が苦しくなったとき、どうしたらいいか?

どうしても住宅ローンの支払いができない場合には、最終手段として家を売却するなどの手段も検討できます。
しかしせっかく手に入れたマイホームですから、できるだけ家の売却は避けたいですよね。

返済は苦しいものの家を手放したくない事情があるとき、これからお伝えするいくつかの方法が役に立ちます。

ここからは出費の見直し住宅ローンの借り換え返済の条件変更(リスケ)リースバックの4点についてご紹介していきますので、参考にしてください。

1. 出費を見直してみる

出費を見直すときポイントになるのは「固定費」と「変動費」です。

家計の見直しにおいて、先に手をつけるのは固定費です。
固定費には、携帯代や電気料金、生命保険料などが含まれます。

携帯を格安SIMに出来ないか、電力会社を変えることで電気料金を下げられないか、生命保険や車両保険の見直しで保険料を下げられないか、などを検討していきます。

固定費は削減の効果がずっと続くので、家計に与える影響は大きくなります。
現在のライフスタイルに合わせたかたちで、見直しをしてみることが大切です。

固定費を見直すことができれば、一定期間の支払いを大きく減らすことができます。
現在のライフスタイルに合わせたよりよい契約などにシフトできるかぜひ確認してみてください。

次に見直したいのは変動費で、食費や被服費など、毎月変動する細かい支出のことです。
変動費は月により変わりやすい支出ですから、実際見直しが難しく、住宅ローンの支払いに対する効果も出にくいでしょう。

ただし収入に対して生活レベルが高くなっていることは多々あります。
ご自身では判断の難しいポイントですので、家計簿をつける、ファイナンシャルプランナーに相談するなどして変動費を確認してください。

固定費、変動費ともに、無駄な出費がないかは勿論ですが、出費を見直すことができれば、住宅ローンのためだけでなく、家計の負担も減らすことができます。

住宅ローンの支払いに苦しさ、きびしさを感じ始めたら、まずは家計の支出を見直し、出費を抑えられるところがないかを考えてみてください。

2. 住宅ローンの借り換えを検討する

住宅ローンの返済中、ほかの金融機関で新たに住宅ローンを組みなおすことを借り換えといいます。

借り換えのときには既存の住宅ローンを一括返済することになりますが、それでも全体的な返済額を引き下げられるときに検討するとよいでしょう。

借り換えのメリットは、金利の安い住宅ローンに借り換えれば、月々の支払額を減らすことができる点です。

金融機関や住宅ローンの商品によっては、リフォームローンも一緒に借りられたり、より適切な補償内容の団体信用保険を選んだりすることができます。

また、借り換えにより返済期間を延ばして月々の返済額を抑える方法もあります。
残債は同じなので、払う期間が長くなれば長くなるほど、月々の返済額を抑えることができます。

トータルでの払込総額は大きくなってしまう可能性がありますが、いま返済がきびしい方には有効な手段のひとつです。

しかし借り換えを実行することで、金融機関によって諸費用・事務手数料などがかかり、新たに住宅ローンの審査を通過する必要もでてきます。

返済の総額が現在よりも上回ってしまうこともあるかもしれません。

十分慎重に検討したうえで、適当なタイミングで借り換えをおこなうことをおすすめします。

3. 返済の条件変更を検討する(リスケ)

リスケとはリスケジュールのことで借り入れ金の返済がきびしいとき、金融機関と相談のうえ、返済の条件を緩く変更することです。

たとえばしばらくの間、返済額を減らしてもらう、返済までの期限を延ばしてもらうなどの対応が可能です。
返済に関する法的措置を待ってもらうことにもなります。

これは金融機関として、貸付金を全く回収できないよりは少しでも回収できるようにしたい意図があります。

リスケには次のとおり、3つの種類があります。

  • 一定期間の返済額減額
    返済額減額とは、「いま支払うお金が足りない」というとき、月々の支払額をとりあえず減額してもらう選択肢です。利子の額は毎月変わらず支払う必要があるうえ、ローン残高は変わらないため、完済までの年月が延びることになります。
  • 一定期間の元本返済据え置き
    ひとまず住宅ローンそのものの支払いを据置き、利息だけでも払うという選択肢です。「返済額減額」タイプのリスケよりも資金繰りに困った際に検討するものです。一定期間支払いを待ってもらえるものの、借りたお金を一切返済しないことになる点を理解する必要があります。
  • 返済期間の延長
    言葉のとおり、契約時の返済期間を延長することです。例えば金融機関に相談する際には、30年ローンで契約したものを45年ローンにしたいなど申し出ることになります。完済までの期日に余裕を持たせ、毎月の支払金額を緩く再設定することができます。

返済額減額と元本返済据え置きに関しては、支払いをいつまでも延期するわけではありません。
このリスケの猶予は、半年から最大で1年です。この最大1年の期限内でどのように支払っていくか、改善に関する計画書を提出します。

もしさらに期限を延長したい場合は、リスケの更新を申し出る必要があります。

ただしリスケの期間を延長したいということは、計画書どおりに状況を改善できていないことになるため、延長に応じてもらえない可能性があります。

ほかにリスケのデメリットとしては、銀行での信用格付(評価)が下がり、新規の借り入れやほかの金融機関からの借り入れが難しくなることが挙げられます。

4. リースバックを検討する

これまでお伝えしてきた対策でも支払いが難しいときは、リースバックを検討してください。

リースバックとは自分の家を不動産会社や他人に買ってもらったうえで、自分の家に賃貸で住むこと。
住み慣れた家や土地を離れることはストレスも大きく、お子さんがいた場合は転校なども考えなければなりません。

リースバックを選択する場合、引っ越さずに済み、特約によっては一定の条件で買い戻せることもあるため、将来買い戻すことを視野に入れてもよいでしょう。

ただしリースバックでは、マイホームに対する権利を失ってしまうため注意が必要です。

リースバックのデメリットとしては、ほとんどのケースで売却時には安く、買い戻したいときには高額です。

また賃貸に期限の設けられている場合もあるため、家を買い戻す希望があれば、あらかじめ不動産会社に確認しておく必要があります。

なおリースバックは支払いが苦しい、または直ぐに資金が必要なケース以外でも、終活や離婚といった一度手放しても今の家に住み続けたいケースでも検討できます。

 

支払いに苦しさを感じたら、すぐに専門家へ相談を!

住宅ローンの支払いでは、事前にしっかりとしたローンの返済計画を立てることが一番大切です。
しかし、先々のことは想定できません。

会社員であれば景気の影響や転職、出産・育児などのライフスタイルの変化、自営業の方でなら事業の環境など、あらゆる場面で住宅ローンの支払いが苦しくなる可能性があります。

もしものことを頭の片隅に置きながら、なるべくストレスの少ないライフプランを練って、住宅ローンを検討してみてください。

そして万が一支払いが苦しくなったときもご紹介した方法のように、まったく手段がないわけではありません。

困った際にはあきらめず、どのような対処方法が適しているか、迷わず専門家に相談してみてくださいね。

建築実例をみる