「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
現代社会では、色々なアレルギーを持つ人が増えています。
家にいると目がチカチカする、頭痛がするといった症状が見られる場合、「シックハウス症候群」に罹っているかもしれません。
一時期よく耳にしたシックハウス症候群ですが、法により対策が取られ、最近はあまり聞かなくなりました。
シックハウス症候群とは、建物に関わる化学物質やカビなどから生じる健康被害のことを指します。
せっかくマイホームを建てたとしても、体調に影響する症状が出てしまっては大変です。
シックハウス症候群にならないようにするためには、知識をしっかりと身につけて、マイホームの計画を建てることが重要になります。
ここからは住宅を建てるとき、リフォームするときに気をつけることについて、ご紹介していきます。
シックハウス症候群について説明する前に、「症候群」の意味をご存知でしょうか。
これは原因がわからなかったり、症状が一定でない状態を指す医学の用語です。
そしてシックハウス症候群は、化学物質などが問題と考えられる、原因がはっきりしないアレルギー症状のことです。
似た症状に化学物質過敏症がありますが、シックハウス症候群には「建物などの室内から出ると、症状がなくなったり軽くなったりする」特徴があります。
そのためシックハウス症候群と化学物質過敏症は違うものと考えられています。
ではシックハウス症候群について、原因と症状を確認していきましょう。
シックハウス症候群の原因は「空気環境」とされています。
例えば建物の材料、家具やカーペット等から生じる化学物質が原因で空気が汚染され、健康被害が生じるというものです。
シックハウス症候群が起こりやすい主な原因として、わかりやすいものでは次の内容が挙げられます。
シックハウス症候群に共通しているのは、建物に入る誰もが発症する可能性があることです。
厚生労働省が公開している症状や、実際に発症された方の状態は次のとおりです。
ただし、ほかにも気力がない、疲れがとれない、怒りっぽくなるといった、わかりにくい症状もあります。
シックハウス症候群は、一度罹ってしまうと日常生活に大きく影響を及ぼすものの、これといった有用な治療法がありません。
また症状に個人差が大きいことが特徴で、同じ部屋で過ごしてなんともない人もいれば、症状が軽度で自覚のない場合もあります。
敏感な人はすぐににおいを感じたり、関連する症状がでたりしますので、建物に入ったタイミングで違和感に気付いたときは、無理せず外に出るようにしてください。
また自然の材料を採用すればいいというわけでもなく、実際のところ、木材そのものからも原因となる物質が発生することがあります。
一般の方が学ぶには分野が広く難しい内容もありますから、まずはシックハウス症候群という症状があることを知り、一人一人にできることを確かめていきましょう。
シックハウス症候群は空気に発散した化学物質に起因しますから、注意はしたいものの完全に避けることはできません。
またシックハウス症候群に対策した住宅を建てられる住宅会社は少ないため、可能であれば完成見学会などで建物に入ってみてください。
その住宅会社の建物内部で空気環境を体感してみることが1つの予防策になります。
シックハウス症候群は、その環境を離れると改善されるものです。
ただし花粉症、自律神経失調症、更年期障害、ストレスに関連する症状等、その他の疾患と間違いやすく、気付かないこともあります。
シックハウス症候群に似た症状に気が付いたときは、下記の内容を参考に、慎重に原因を切り分けて問題を突き止めてください。
あわせて、念のため住宅会社にも相談することをおすすめします。
もしも症状があまりにひどい場合は、迷わず医療機関で受診してください。
相談すべき医療機関がわからないときは、シックハウスに関する相談窓口や、全国保健所に連絡する方法もあります。
シックハウス症候群の原因は室内の空気が汚染されることです。
そのため空気を汚さない、または汚れた空気を室外に出すことが必要です。
自分では気が付かないような原因も考えられますので、思い込まないでよく調べるか、あらかじめ住宅会社にしっかりと相談するようにしてください。
ここではシックハウス症候群の具体的な対策、「換気」と「室内の化学物質を減らす」ことについてお伝えします。
前提として、建築基準法では24時間換気することが前提となっています。
そのため換気扇はオフにせず常に運転させます。
また窓を開けて換気する場合は、対になる位置の複数の窓をあけて効果的に換気することを心がけましょう。
化学物質の発生原因となる「モノ」を減らす工夫をします。
まずは建材の種類に関しては住宅会社に相談しましょう。
そして生活環境に関わるものは、特に新しく買う製品に注意してください。
家具やカーテン、絨毯などを慎重に選ぶほか、防虫剤、芳香剤、消臭剤の使用も極力減らすと安心です。
シックハウス症候群は室内の空気環境が原因ですから、煙草は外で吸う、また暖房機器は燃焼ガスを外に排出するFF式ストーブや電気器具を使うとすると効果的です。
シックハウス症候群は1990年代頃に話題になりました。
この疾患が広まった背景には、時代の流れで急激に多くの住宅が求められ、手早く建設、施工できるよう、建材や塗料が工業化されたことが挙げられます。
さらには建設に関わる技術が向上し住宅の高気密化が進んだ結果、住宅の隙間風が通りにくくなり、皮肉にも室内の空気汚染に拍車をかけてしまいました。
現在は建築基準法をもとに、シックハウス症候群への対策が取り決められ、多くの国内メーカーも対策を施した建材を取り扱っています。
2003年以降、建築基準法ではシックハウス症候群の中でも多くの原因とされる「クロルピリホス」と「ホルムアルデヒド」という物質が規制の対象になりました。
クロルピリホスに関しては、居室のある建物にはこの物質を添加した材料の使用が禁止されました。
ホルムアルデヒドについては、内装の仕上げに使うときの材料に対して、面積の制限が設けられました。天井裏などに使う下地の材料についても、ホルムアルデヒドの発散材料を減らすか、換気できる構造にする決まりができました。
また、シックハウス症候群を防ぐための重要な「適切な換気」を重視し、24時間換気ができる設備をつくることも義務付けられました。
しかしその後、夏の暑さや冬の寒さ、光熱費の問題で、本来24時間の換気が行えるべき換気扇にはON/OFFのスイッチがつけられるようになります。
そのため現状、建築基準法で定められたルールがあるとしても、シックハウス症候群への対策が十分にできるかは、個人の行動に委ねられている状態です。
解決されたと思われがちなシックハウス症候群ですが、年々相談件数は減っているものの、未だに全国では多くの方が症状に苦しんでいます。
まずはシックハウス症候群に罹らないためにも、完成見学会などに足を運んだときは、建てられた家の空気環境も体感してみてください。
そして見学に行く先々でシックハウス症候群の症状が出てしまうような場合や、健康面に対してご心配な場合には、ぜひお近くの住宅会社にご相談ください。
住宅会社からお部屋の内装に自然の素材を使うことや、換気システムについてなど皆さんの健康に配慮するための提案ができていれば、信頼できる住宅会社がわかります。
シックハウス症候群は根本的な解決の難しい問題ではありますが、ご自身や家族の健康にかかわることですから、できるだけ安心な住宅を建てられると良いですね。
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