認定を受けよう!税制や融資で優遇される長期優良住宅のすすめ
住み継げる住まいの提案 archi laboコンセプトハウス(一級建築士事務所 株式会社山内組 archi labo)

認定を受けよう!税制や融資で優遇される長期優良住宅のすすめ

2021.07.16

家を建てたいと思ったときハードルとなるものに、真っ先にお金の問題が挙げられます。
どなたでも、できるだけコストを抑えたいと考えますよね。

コストを抑える手段にもいろいろなものがありますが、税制や融資で優遇される長期優良住宅の認定という方法がありますので、こちらをご紹介したいと思います。

長期優良住宅とは国から認定を受けた、長く住み続けられる安心な住宅のことです。

日本の住宅は欧米の住宅に比べて寿命が短いとされています。
そのため現在日本では、住宅が社会的な資産になり環境への配慮もできるよう、住宅の長寿命化を推進しています。
国では施策として、税制面や融資で優遇される法律[長期優良住宅の普及の促進に関する法律]を施行しました。

長期優良住宅の認定には費用や手間がかかりますが、かわりに大きなメリットがあり、非常に魅力的な制度なのです。
本記事では、数ある住宅基準の中でもよく目にする「長期優良住宅」について詳しく触れていきます。

長期優良住宅の認定を受けるメリット

長期優良住宅の認定を受けるためには、やや面倒な手続きや条件があります。
しかし、それをもってしても大きなメリットがあるといえるのは、税金に対する優遇措置や税率の引き下げ減額期間の延長など、多くの対策がなされていることです。

これはできるだけ耐震性や耐久性などに優れた住宅を建て、適切なメンテナンスを続けてもらうために国が設けた施策です。
住宅ローンに関する減税、金利、所得税、固定資産税などさまざまなメリットがありますので、長期優良住宅の認定をお考えの方は、こちらの内容を確認してみてください。

※以降は2021年7月現在の内容です。これらは国の政策の一部のため記事をお読みいただくタイミングによっては、政策に変更があるかもしれません。長期優良住宅の認定を検討するときは事前に詳細をお調べいただくか、またはあらかじめお近くの住宅会社にも相談してください。

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンで家を購入したときに使える減税の対策です。
通常、年末のローン残高の1%が所得税から控除されますが、長期優良住宅ではこの控除率が1.2%になります。

長期優良住宅において、控除の対象になる住宅ローンの借り入れ限度額は5,000万円となるため、控除期間を最大の10年、控除率1.2%で計算すると、長期優良住宅の住宅ローン控除額は最大で600万円です。

住宅ローンが低金利(お得な【フラット35】Sの申し込みが可能)

一般的に住宅を買うとき、ローンでの支払いを検討します。
住宅ローンのなかには長期優良住宅を対象とした低金利のメニュー、【フラット35】Sがあります。

フラット35とは政府系金融機関と民間金融機関が提携して提供する、最長35年の住宅ローンで、全期間の金利が固定されるものです。
そのため、返済が終わるまでの借り入れ金利と返済額が明確化され、ライフプランが立てやすくなります。

このフラット35に[S]の文字が付く【フラット35】Sは、省エネルギー性、 耐震性などに対応した長期優良住宅などに対して、一定期間の金利を引き下げようという内容です。
2022年3月31日までは金利Aプランで初めの10年間、金利Bプランでは初めの5年間、年0.25%の金利が引き下げられます。

金利Aプランはもともと長く低金利でローンを組めるプランなので、この金利がさらに下がることは大きな魅力です。

その他税に関する優遇措置

所得税、不動産取得税、固定資産税、登録免許税などについても、減税、控除の対象になります。

  • 所得税の特別控除

住宅ローンでなく自己資金のみで購入する場合、最大65万円の控除を受けられます。(上限650万円の10%相当額)もしその年度に控除しきれなくても、翌年分の所得税額から控除されます。

  • 不動産取得税

土地や建物を買ったときにかかる税金が不動産取得税です。
長期優良住宅では税額計算の対象となる額が1,300万円に増えるため、あわせて控除額も増えます。

  • 固定資産税(5年間2分の1に減額)

固定資産の持ち主に課税される固定資産税ですが、新築住宅が長期優良住宅に認定されると、こちらの税金に対する減額措置の期間が延長されます。

  • 登録免許税

省建築や土地の購入には、登記の申請が必要になります。(所有権保存登記など)

この際にかかる税金について、長期優良住宅では税率が引き下げられます。

地震保険料の割引

長期優良住宅の認定には厳しい条件がありますが、このなかに耐震性が含まれています。
そのためこの認定基準を満たしていれば、地震保険の割引条件も満たしていることになります。(耐震等級割引、または免震建築物割引)

地震保険の割引を受けるには基準を満たす証明資料の提出が必要となりますので、詳細は保険会社に確認してください。

長期優良住宅の認定を受けるデメリット

長期優良住宅は、もともと長く住み続けられる安心な住宅を目指すものです。
家を建てる前の段階から、建てたあとのメンテナンスに至るまで、しっかりとしたプランを立てておくことが求められています。

認定には壊れにくい建物であるか建物の維持や管理が容易であるかなど、細かく厳しい条件があり、また申し込むには手数料もかかります。
長期優良住宅の申請はとても気軽なものとはいえませんが、家を建てるということは、人生の中でも大きくお金が動くイベントです。

そのため長期優良住宅の認定は、こういった手間や諸費用を知ったうえでも、魅力を感じる制度といえます。
ではさっそく、条件の内容や申請について、詳しくチェックしていきましょう。

長期優良住宅の認定を受けるために必要な条件

長期優良住宅の認定を受けるためには、以下9つの基準を満たす必要があります。

  • 耐震性

震度6強、震度7の地震に対し、住み続けるために直しやすく強い建物を作ること。
(耐震等級(倒壊等防止)の1や2に該当する、または免震建築物である等(その他独自の措置を含む))
耐震性についてはこちら

  • 維持管理・更新の容易性

長く使い続けられる住宅の骨組みに対して、内装や設備は早く消耗するため、これを見越して定期的な点検、補修等が計画されていること。
(維持管理対策等3級相当、更新対策等級3相当)

  • 省エネルギー性

省エネルギーの基準にあてはまるよう、必要な断熱性能などを確保していること。(断熱等性能等級4以上)

  • 住戸面積

よりよい場所での暮らしを実現するため、一定の床の広さを確保すること。
(一戸建ては延べ床面積が75平方メートル以上、少なくとも一つのフロアの床面積が40平方メートル以上あること。※地域の実情にあわせ基準が定められることも)

  • 劣化対策

住宅の骨組みが数世代にわたり使用できる状態であること。
(劣化対策等級3相当かつ、構造の種類に応じた措置)

  • 居住環境への配慮

地域のよりよい見晴らしをつくることを考えているか、また住む場所の環境を保ったり、良くしようとに気配りができているか。
(地域のまちづくり(地区計画・景観計画・条例・建築協定・景観協定等)にあてはまること。)

  • 維持保全計画

定期的な点検、補修等に関する計画が、建築の段階から取り決められていること。
(構造耐力上の主要な部分の点検や、地震、台風発生時に臨時点検を行う等)

  • バリアフリー性

将来バリアフリーを考えたときに、リフォームができるようになっていること。

  • 可変性

生活の変化にあわせて、間取りを変えたりできるようになっていること。

2022年2月からは新たな認定基準に「災害配慮基準」も

2021年5月28日の法改正に伴って、これまで考慮されていなかった地震以外の災害リスク、土砂災害や洪水、津波などが認定の基準に加わります。
自然災害の危険性が高いエリアは長期優良住宅として認定しない、または建築に制限を設けるなどの内容が検討されています。

具体的な基準については今年秋、少なくとも2021年9月以降に告示する予定のようです。

申請に手間や諸費用がかかる

長期優良住宅については申請から認定までのハードルが高く手続きも複雑ですが、これらは住宅会社に相談することができます。
ほかには申請に手数料がかかること、建てたあとの継続的なメンテナンスが必要なことなど、いくつかの注意事項があげられます。

  • 申請に手数料がかかる

審査や認定に必要な書類は行政により異なりますが、申請には手数料がかかります。
この手数料は地域や面積によって変動するので、プランニングの段階で確認しておきましょう。

  • 建築コストが上がる、工期が延びる場合がある

住宅会社により建築コストが高くなったり、工期が延びる場合があります。

  • なにかある度に手続きが必要

工事の計画に変更があったり増築やリフォームをしようとするとき、相続や売買するときも、あらためて手続きをしなければなりません。

  • 建てた後も点検義務が生じる

暮らし始めてからも、メンテナンスの報告を求められることがあります。

認定が取り消されたり、補助金等の返還を求められないよう、国の調査に対応に備えてメンテナンスについて記録していく必要があります。

長期優良住宅に魅力を感じたら住宅会社に相談しよう

長期優良住宅の認定にはメリットがあるものの、申請に難しさを感じる方もいたかもしれません。
しかし実際には、詳細な対応や書類の用意は住宅会社のサポートが入ります。
新潟県でも長期優良住宅の認定に対応できる工務店は数多くあり、長期優良住宅そのものも増えてきています。

長期優良住宅の認定に魅力を感じたら、皆さんの建てたい家が長期優良住宅として申請ができるか、ぜひ住宅会社に確認してみましょう。

お住まいの地域によっては求められる審査や書類が違うかもしれませんので、住宅会社にしっかりと相談に乗ってもらい、注意点を理解したうえでマイホームのプランを検討してくださいね。

この記事を書いたひと
モックハウスマガジン編集部
モックハウスマガジン編集部

モックハウスマガジンの編集部員。
家づくりの気になる疑問や、知ってほしい情報を日々お届けしています。

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