「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
皆さんは今どんな家を建てたいか、はっきりとしたビジョンをお持ちでしょうか。
今回は家づくりを始める前に皆さんに知っておいていただきたい大切なポイント、住宅の建築工法(以下、工法)についてお伝えしたいと思います。
工法とは、建物全体の構造について、どのような部材を使って、どのように組み立てるのかの施工や工事の方法を示すものです。
工法にはさまざまな種類がありますが、使用可能な建材、管理のしやすさ、デザイン性など、それぞれに特徴があります。
本記事では主な工法の種類とメリット、デメリットについて取り上げていきます。
木造住宅と聞いたとき一般的にイメージされる代表的な工法で、柱と梁によって建物を支えるのが特徴です。
日本古来からの伝統の技術を発展させたもので、在来工法とも呼ばれています。
現在日本で最も多くの住宅に取り入れられている工法のため、新潟の住宅会社でもほとんどがこの木造軸組工法を採用しています。
すべて木で作るこの工法は、日本の風土との相性がよく、木の温もりを感じられます。
鉄やコンクリートよりも低コストで採用でき、間取りの自由が効きます。
柱と梁で構造を支える仕組みのため壁を抜きやすく、狭い土地やいびつな形をした土地でも敷地を自由に活用できます。
比較的間取りの変更や増改築もしやすいので将来的なリフォームにも対応できます。
柱や梁を組み上げていくのでどうしても作業に時間がかかり、条件や規模などにもよりますが、概ね半年程度の工期を必要とします。
また、大工の経験や技術の差が出やすいため、慎重に住宅業者を選ぶことが重要です。
木造だと気になるシロアリ被害については、最近では地面をコンクリートで覆うベタ基礎が主流となっため、被害が減少しています。
こちらは2×4インチの均一なサイズの角材をベースに建築する方法で、ツーバイフォー工法と呼ばれています。
具体的には、まず2×4サイズの角材で骨組み(いわゆる枠)をつくり、合板を打ちつけてパネル化します。
柱や梁に代わり、このパネルをサイコロ状に組み合わせて、壁や床、天井、屋根などの立体を形成します。
北米の木造住宅の9割に採用されているともいわれる世界的に主流な工法で、新潟県でも2×4工法を採用している工務店があります。
なお、1インチは2.54cmのため、2×4材は計算上5.08cm×10.16cmですが、これは製材前の未乾燥の寸法で、実際の寸法は約3.8cm×8.9cmです。
規格化されている木材を使用することから単純な施工方法になるため、工期が短く済みます。
また、パネル面が地震や強風などといった力に抵抗してくれるため、耐震性、耐風性といった外的要因への耐性が高いとされています。
高気密、高断熱で耐火性能も高いとされていて、火災保険料を抑えられることもあります。
パネル面を用いて箱のようなかたちで空間を仕上げていくため、間取りの自由度が低く、リノベーションやリフォームによる部屋数の変更等が難しくなります。
また、壁を抜くことが難しいため、開口部を大きく作る・開放感のある空間をつくることに関しては在来工法のほうが有利です。
プレハブという言葉は、英語のプレファブリケーション(prefabrication)からきていて、まえもって製造することを指します。
プレハブ工法とは、あらかじめ工場で生産された屋根、壁、床などの部材を現場で組み立てる方法のことで、新潟県でも一部の工務店が採用しています。
なお、ユニット工法はプレハブ工法の一種で、より一貫して工業化を目指したものです。
工場で部屋単位に分けたユニットを作っておき、それを現場に運んで建物として組み立てます。
品質管理が行き届いた工場であらかじめ部材をつくる手法のため、基本的に品質が安定しています。
マニュアルに沿って施工するため現場での作業を減らすことができ、工期の短縮、人件費の削減による全体的なコストダウンが見込めます。
新たにユニットを足すことができるため、増築しやすい工法でもあります。
トラックで運搬して現場にユニットを入れるため、狭い土地や道路では施工が厳しくなります。
箱型のユニットを組み合わせて作る仕様上、設計の自由度が少なく、デザインや間取りがありきたりなものになりがちだったり、外観についても好みが分かれることがあります。
また、一度工事を始めてしまってからの間取りの変更やリフォームは難しい場合があります。
1923年(大正12年)9月、近代日本で最も多くの犠牲者を伴ったといわれる関東大震災が発生しました。
鉄筋コンクリート造とは、現在の基準で最大震度7であったこの震災で、火災による死傷者があまりにも多かった経験から耐震、耐火性能を求めて広められた工法です。
※このとき日本で独自に発達したSRC造は、鉄骨造が入った鉄骨鉄筋コンクリート造と呼ばれるもので、RC造とは異なります。
耐震性の高さとデザインの自由度から人気がありますが、あいにく新潟県では対応可能な業者はあまりありません。
RC造の由来[Reinforced Concrete]は強化されたコンクリートという意味ですが、この工法はコンクリートと鉄筋で建物を造るというもので、耐震性や耐火性に優れています。
またコンクリートは機密性が高いため、防音性があり、生活音をおさえる効果が期待できます。
さらには素材が不燃材なので、木造住宅に比べて耐火性が高くなります。
柱のように空間をさえぎるものもないためデザインの自由度が高く、強度の規制をクリアできれば丸みを帯びた壁面など、個性的なデザインにすることも可能です。
部材や工期がかかり、木造の工法と比べるとコストは1.5~2倍ほどといわれます。
ただしコンクリートは耐用年数も長く、資産価値もあるため、トータルコストで見ると高すぎるわけではないという考え方もあります。
工期は型枠に流し込んだコンクリートが既定の強度に固まるまで待つ必要があるため、およそ5~6か月がかかります。
木造の工法では選ぶ工法や家の広さ、間取りにもよりますが、木造2階建てであれば一般的に4~6か月くらいの工期が目安です。
他の工法よりも住宅が重たいため、地盤の補強工事が必要になったり、機密性が高いことから、かえって結露やカビも発生しやすくなることもあります。
ラーメンの語源はドイツ語で枠組みのことです。
ラーメン構造とは、柱と梁の接合部を強く固定し、枠を組むかたちで建物の強度を高める構造形式のことで、この枠組みに壁や床を張っていくつくりになります。
柱と梁の接合部を強固に接合できる鉄骨造・鉄筋コンクリート造等で取り入られており、戸建て住宅から高層マンションなど、幅広い種類の建物でみられる構造です。
構造上の特性として柔軟性があるため、地震のエネルギーを吸収できます。
建物の構造に影響しない範囲であれば壁や床を省略することができるため、大きな吹き抜けをつくるなど、空間を広く使うことができます。
リノベーション時には壁をなくす、壁の位置を変えるなど、自由度の高い間取り変更ができます。
建物の強度を高めるために太い柱や梁が使われるため、柱が邪魔になり部屋に圧迫感を感じる、家具が自由に配置できない、インテリアがすっきりしないと感じる場合があります。
柔軟性があるつくりのため、横揺れなどの負荷にも耐えられますが、想定外の強い力が加わると衝撃を吸収しきれず破損してしまう、またはゆがみが残る可能性もあります。
こうして工法の種類を見比べていくと、それぞれの工法に建築やデザイン、管理面での良さがあることがわかりますね。
どの工法にしたらよいかは目指す家の方向性によって変わりますが、もし工法選びに迷ったら、完成見学会やモデルハウスに足を運んでみてください。
そしてマイホームを想像しながら、本記事でお伝えした工法の特徴を思い出していただき、どんなふうに家づくりを始めていったらよいかのヒントにしてみてくださいね。
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