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新築で地盤調査は必要?かかる費用や調査内容も解説

新築で地盤調査は必要?かかる費用や調査内容も解説
2021.08.26

家を建てる前にほぼ必ず行うのが、地盤調査です。

家そのものがどんなに丈夫でも、それを支える地盤が弱ければ、安全な暮らしはできません。
購入した土地の地盤が弱ければ、地盤改良も必要になります。

いつまでも安心して暮らせる家を建てるために欠かせない地盤調査ですが、なんだか難しそうで、どうしたらいいのかわからないという方も多いでしょう。

そこで今回は地盤調査の具体的な方法から、かかる費用や調査結果の確認方法まで、わかりやすく解説します。

この記事を書いたひと
小林紘大
小林紘大

新潟市内の工務店で家づくりの実務経験を積んだ後にコウダイ企画室。としてフリーランス建築士として活動中。
「楽しい暮らしは自分でつくる」をモットーに新潟の家づくりを楽しく応援していています。

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地盤調査とは?

地盤調査とは、戸建てやマンションなどの建物を建てる際、土地が建物の重さに耐えらるかを調べることです。

地盤調査で土地の地盤が弱いとわかった場合、その土地の強度や地質に合わせた「地盤改良」を行います。

なお、弱い地盤は「軟弱地盤」と呼ばれ、やわらかい粘土や砂などで構成されています。

地盤調査が必要な理由

新築住宅を建てる場合、地盤調査はほぼ確実に行われます。主な理由は2つあり、「家族がいつまでも安全に暮らせる家を建てるため」と「不動産会社が保険に入るため」です。

どんなに頑丈な家を建てても、地盤が弱ければ安全とはいえません。土地が弱ければ時間の経過とともに建物が沈み、傾いてきます。
地震で土地が液状化すれば、建物が傾いたり倒壊したりすることもあるでしょう。
いつまでも安全に暮らせる家を建てるには、土地が建物の重さや地震に耐えられるかを調べ、必要に応じて改良を加えなければなりません。

また、新築した家の引き渡しから10年以内に、先述のような不具合が起こった場合、不動産会社には無償補修や損害賠償などの保証責任が発生します。これは「契約不適合責任」と呼ばれ、法律で定められたものです。

そのため、多くの不動産会社は契約不適合責任に備えた保険に加入します。ただし、保険に加入するには地盤調査をしなくてはなりません。

地盤調査は新築住宅に住む側にとっても、建てる側にとっても、身を守るために欠かせないものといえます。

地盤調査で調べること

一般的な戸建てを新築する場合、地盤調査では建物を建てる場所の4隅と真ん中の1ヵ所、合計5ヵ所の強度調査を行います。5ヵ所の調査ポイントに、先端がスクリュー状になった鉄の棒を挿し、回転貫入させていくことで地盤の強度を調べます。

なお、貫入(調査)の深さは10mほどが一般的です。

地盤調査をするタイミング

一般的に、地盤調査をするタイミングは土地を購入した後、家を建てる直前です。地盤調査の結果によっては、地盤改良をしてから新築の工事が始まります。

土地購入前に地盤調査をすることも可能ですが、その分費用がかかります。
新築戸建ての場合は1回5万円ほどの費用がかかるため、気になる土地が見つかるたびに地盤調査をしていては、かなりのお金がかかるでしょう。

とはいえ、大規模な地盤改良が必要になれば、それはそれでお金がかかります。
何も調べず土地を購入するのはリスキーです。土地選びは、工務店と相談しながら進めましょう。

熟練の工務店なら地盤調査をせずとも、その土地がどんな地盤なのか、大まかな予想は立てられます。
工務店からアドバイスをもらいながら、土地そのものの価格、地盤改良の必要性やかかるであろう費用を比べれば、土地にかかるお金の目処が立てられるでしょう。

立て替えの地盤調査はいつやるの?

購入した土地に家が建っていたり、実家のある土地に新居を構えたり、建て替えで家を新築する方もいるでしょう。
建て替えの場合は、古い家を取り壊した後に地盤調査を行います。

すでに家の建っている土地の場合、その家を建てるときに地盤調査をしているかもしれません。
しかし、時間の経過とともに地盤の強度や周辺環境は変わっています。

「前に地盤調査したみたいだし、大丈夫だろう」と油断していると、家が建ってから大変なことになるかもしれません。建て替えでも、地盤調査は必ず行ってください。

建て替えの地盤調査についてはこちらの記事でも解説しています。

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地盤調査の3つの方法と、それぞれの費用

戸建て住宅では、SWS(スウェーデン式サウンディング)試験と呼ばれる地盤調査を行うのが一般的です。

SWS試験は先述の通り、先端がスクリュー状の棒を地盤に挿し、回転貫入させて地盤の強度を測る方法です。

鉄の棒におもりを付けて、どの重さでどのくらい沈むのかを調べたり、決められた深さまで貫入させるのにスクリューが何回転したかを調べたりして強度を計測します。
貫入時の音や感触なども、重要な調査材料です。

SWS試験のほかには、「ボーリング調査」や「表面波探査法」などが挙げられます。
それぞれどんな調査方法で、どのくらいの費用がかかるのか、確認しておきましょう。

調査方法主な用途調査の内容費用目安
SWS試験戸建て住宅地盤に回転貫入させた鉄の棒に加えた荷重や、回転数から強度を計測5万円ほど
ボーリング調査マンションやビル土地を深く掘って土を採取・調査したり、地下水位の深さを調べたりして強度を計測30万円ほど
表面波探査法戸建て住宅地盤に振動を与え、振動が伝わる範囲や速さから強度を計測8万円ほど

地盤調査報告書の内容は工務店に説明してもらう

地盤調査が終わると、地盤調査報告書がもらえます。
報告書には地盤調査の計測データや、時代ごとの周辺地図などが載っています。
その土地が現在どんな土地なのか、過去はどんな土地で、どのような変化を辿り今の姿になったのかなどがわかるでしょう。

地盤調査報告書は数十ページにわたる長い書類で、内容も複雑です。
一般の方が見てもわかりづらいので、工務店の担当者に説明してもらいながら、一緒に内容を確認しましょう。

家が建ってから後悔しても遅い!地盤調査は必ずしよう

ほとんどの家は、地盤調査をしてから建てられています。

新築住宅はもちろん、建売住宅もマンションも、工事前にまず間違いなく地盤調査をしているでしょう。
地盤改良が必要だった場合、家が建ってからでは遅いからです。
地盤の調査や改良に、多少の費用はかかるかもしれませんが、家が傾いたり倒壊したりしてはもっとお金がかかります。

地盤が弱い土地は、地盤改良でしっかり強化してから、家を建てましょう。

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