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新築住宅における「工事請負契約」とは? 契約書類のチェックポイントまとめ

新築住宅における「工事請負契約」とは? 契約書類のチェックポイントまとめ
2023.09.21

新築住宅づくりでかならず目を通す書類が「工事請負契約書」です。施主はもちろん、工務店や家づくりに関わる業者たちが、請負契約におけるトラブルを回避するために欠かすことができません。本記事では、家づくりの現場で普段使われている工事請負契約書について解説します。

この記事を書いたひと
小林紘大
小林紘大

新潟市内の工務店で家づくりの実務経験を積んだ後にコウダイ企画室。としてフリーランス建築士として活動中。
「楽しい暮らしは自分でつくる」をモットーに新潟の家づくりを楽しく応援していています。

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工事請負契約書とは

工事請負契約書とは、住宅会社と施主との間で交わす契約書です。「どんな家を」「いくらで」「いつまでに完成させる(建てる)」といった内容が盛り込まれており、「本契約」とも呼ばれます。

契約書は、「工事仕様書」「設計図書」「工事費見積書」「工程表」で構成されています。家づくりの過程で添付書類が多くなり、混乱しやすいかもしれませんが、これらの書類は見積もりの根拠となりますので、しっかり揃えてもらいましょう。

 

小林 紘大
小林 紘大

請負契約とは?

「請負契約」とは、当事者同士が対等であることを前提に行う契約です。一般的には注文者(施主)が強い立場にあると考えられがちですが、請負人(住宅会社)も対等の立場であるという合意のもとで契約を結ばなければならないことが、契約書にも明記されています。

 

見積もり時にチェックしたい契約書のポイント

ここからは、契約前に確認しておきたい内容をいくつかピックアップして解説していきます。契約書にサインしてしまうと、その内容に合意したことになるので、契約前に疑問点はすべて確認しておくのがベストです。

建築工事に限りませんが、「契約書」と「約款」の類は、事前確認が大切です。法律用語などが頻出し、難しい内容もありますが、分からなければしっかりと質問し、相違があれば、速やかに対応してもらうよう申し出ましょう。

前述したように請負契約とは双方が「対等な立場」の契約です。住宅会社側もいい加減に対応してしまうとリスクが生じるため、しっかりと確認を求めてきます。

工事スケジュール

工事に着手する「着工日」や、「完成日」、建物が施主に引き渡される「引渡し日」といった工事スケジュールが明記されているか、またその内容をしっかりと確認しましょう。引渡しは一般的には工事完了日から1週間くらいが目安です。工事内容のチェック、お金の支払が行われ、鍵を受け取ります。

工事金額

工事の各工程にかかった金額が細かく記載されています。新築住宅を建てていると、金銭感覚が狂ってしまうこともありますが、すみずみまでしっかりとチェックしておきたいところです。

また、工事代金の支払いスケジュールも盛り込まれています。支払時期は「建築工事請負契約締結時の着手金」「着工前と上棟時の中間金」「引渡し時の残代金」と大まかに分かれているケースが多いです。例として、契約時に代金10%(着手金)、着工時に30%、上棟時に30%、建物の引渡し時に30%といった具合です。住宅会社によって割合などは変わるので、確認しておきましょう。

住宅ローンを利用している場合は融資との兼ね合いもあるため、記載されているスケジュールを確認し、それぞれのタイミングでどのくらい支払うのかを把握しておきましょう。

約款

「約款(やっかん)」とは、契約書に記載されていない詳細な条項が記載された書類のことです。難しい言葉で書かれていることが多く、気負いしてしまう箇所ですが、重要な内容が細かく盛り込まれているので、頑張って確認しましょう。

瑕疵

「建物の隠れた瑕疵担保」に関する条項です。品確法で定められた瑕疵は、建物の引渡しから10年間の保証が義務付けられていますが、法令で定められていない瑕疵の保証期間については、住宅会社との間で取り決めが行われます。

工期が遅れた場合(やむを得ない場合を除く)

履行遅延についてですね。住宅会社側の都合で工事が遅れ、契約書に記載されたスケジュールで引渡しが行われなかった場合の「違約金」に関しての取り決め内容が盛り込まれています。「工事請負代金に対して年利◯◯%以内で、引渡しの遅延日数による日割り計算」で違約金を算出するのが一般的です。

小林 紘大
小林 紘大

工事は、自然災害など「やむを得ない事情」で遅れる場合もあり、そういったケースでの遅延は除外されます。「どんなことが起きても、かならず契約を履行しなければならない」ではありません。

ローン特約

「ローン特約」とは、売主と買主の合意によって定めるローン契約の特別条項のひとつです。注文住宅を建築する場合は、金融機関へのローンの借入申請が「全額または一部承認されなかった場合」に契約を解除できます。

解除したあとは「着手金からそれまでにかかった費用」を除いた金額が施主に返却されます。

契約に関する紛争について

「欠陥(瑕疵)があるのに補修してくれない」や「工事代金を支払ってくれない」といった請負契約で起こった紛争の解決を図るための条項です。建築工事でも、技術的な問題や商慣行などで専門的な知識が必要になることもあり、個人で解決することは難しい問題です。そういった場合に、どのように話を進めるかなどが盛り込まれています。

各自治体には公正・中立な立場に立って迅速かつ簡便な解決を図ることを目的とした「建設工事紛争審査会(審査会)」といった公的機関も設置されています。

請負契約は未来の約束

新築住宅における「工事請負契約」について解説しました。請負契約とは、まだかたちのないものを作るための「未来の約束事」です。完成した商品とお金を交換する「売買契約」とは異なるため、違和感を感じるところもあるかもしれません。法律用語も多く難しいところですが、頑張って確認することが大切です。

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