「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
完成した住宅の受け渡しも無事に完了し、ホッと一息ついたころ「雨漏れや床の傾きに気がついた」といったケースに遭遇したら、施主はどうしたらいいのでしょうか。
新築住宅の不具合を見つけた場合は、慌てて修理業者のリストを探すまえに、まずは依頼した住宅会社に連絡することが大切です。また、完成してから数年経ってから不具合が見つかる場合もあります。
今回は、新築住宅を建てた施主を守る「瑕疵(かし)担保責任」について解説します。どんな制度なのかといった基本的なことから、「依頼した工務店が倒産した!」といった万が一のケースでの対処法まで紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
もし入居後に、なんらかの不具合が見つかった場合、施主はどうしたらいいのでしょうか。そんなときに頼れるのが「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」です。品確法は、つぎの3つを中心に成り立っています。
本記事で解説する「瑕疵担保責任」は、ひとつ目の「新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例」についてであり、しっかりと法律で定められていることということをまずは理解しておきましょう。
そもそも「瑕疵」とは、キズや欠点のことを指します。もう少し具体的には、「法律や当事者の予期するような状態や性質が欠けていること」という意味です。
新築住宅が完成したときから存在するキズや不具合のことで、施主がパッと見てわかるものもあれば、目にはみえない隠れたものもあるでしょう。
そういった瑕疵に対して、売主(宅建業者)や請負主(建設業者)が買主(施主)に対して負わなければならない責任を「瑕疵担保責任」といいます。
不具合とひと言でいっても、その種類はさまざまです。瑕疵担保責任で対象となる瑕疵は、おおよそ次のふたつとされています。
①はいわゆる「雨漏り」ですね。②は「地盤などで家が傾く」といった不具合です。実際のトラブルでもこのふたつが多いとされており、どちらも安心・安全な暮らしのためには絶対にあってはならない不具合といえますね。
品確法ができた背景について少しお話しておきましょう。背景を知ると、「瑕疵担保責任」についても、より理解しやすくなります。
品確法が制定される以前は、住宅が欲しい消費者と住宅を供給する業者間で、いくつかの悩みがありました。
消費者側の例としては、「住宅の性能を表示する共通ルールが無く、比較が難しい」や「住宅性能に関する専門の紛争処理期間がなく、解決に多くの労力を要する」などです。
住宅供給側は、「住宅の性能を表示する共通ルールがなく、性能を競争するインセンティブが乏しい」や「住宅性能に関するクレーム対応等の処理にかかる労力が甚大」などです。
こういった双方の悩みをよりスムーズに解決するため、品確法が制定されました。家づくりからアフターサービスまで、一定以上の品質を確保するための法律といえます。
とはいえ、補修や賠償の責任を負う住宅供給側も一般の会社です。瑕疵担保責任は10年ですが、その間に会社が倒産してしまうケースもじゅうぶんありえるでしょう。
そんなとき、消費者をより確実に守るため、法律によって新築住宅の売主は資力を確保する措置が義務付けられています。売主は完成した新築住宅を施主に引き渡すときに、「瑕疵担保保険」に入る義務があります。これが、「住宅瑕疵担保履行法」です。
新築住宅の受け渡しのときに、施主は売主が瑕疵担保保険に加入している証として、保険証書を受け取ります。売主が倒産しても保険証書は生きているため、万が一のときでも保険金が支払われ、瑕疵の保証が行われるという仕組みです。
消費者が安心できる瑕疵担保保険ですが、表面のキズは対象外です。また保証期間も10年なので注意しましょう。
売主が瑕疵担保保険に加入するにあたって、専門機関が調査を行います。一般的に、法律に従って家が建てられているかをチェックする、建築基準法の検査よりもさらに厳しいものだといわれています。
検査に合格しないと保険証書が受け取れず、施主にその保険証書を渡すこともできません。
「住宅瑕疵担保責任」について解説してきました。ポイントは、つぎの3つです。
目当ての工務店がどういった瑕疵担保保険会社に加入しているかを知りたい場合は、担当者に確認してみましょう。とはいえ、私は瑕疵担保保険が使われることがない家づくりが大切だと考えます。
みなさんも、「保険に入っているから大丈夫」とは思わずに、大きなプロジェクトをしっかりと成功させるような気持ちで家づくりに臨んでほしいと思います。
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