「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
新築住宅を建てる時、よくみなさんが悩むのは「間取り」や「デザイン」「住宅性能」などです。Mockhouseでは、新築住宅をさまざまなテーマで解説していますが、今回は間取りのなかの「玄関」についてのお話です。広さやデザイン、各種設備など、自宅の玄関を考えるときはどのような点に注目したらよいのでしょうか。
玄関は、自宅の顔となる場所です。家族ならほぼ毎日使いますし、配達業者や来客者も玄関は必ず使用します。使うのは一瞬ですが、実はとても重要な間取りです。
ここでは、玄関の間取りを考えるときに、どのような点に注目したらいいのかを解説します。設計を担当していてとくに注意したほうが良いと考えるポイントを、4つの項目に分けました。自分の家の玄関を想像しながら読んでみてください。
昔から「立派な門構え」というように、玄関の広さはひとつのバロメーターのように扱われることがあります。玄関が狭いと複数人が同時に靴を脱いだり、家に上がったりしにくいため、「広くしたほうがいいのかな?」と考えがちです。
私は新潟県に住む場合、玄関は必要最低限でよいと考えています。もちろん、広いことに越したことはないですが、その他の間取りや設備費用などを考慮すると、玄関にそこまで予算を割くべきではないからです。たたみ1畳分あればトイレも作れますし、リビングをもう少し広くすることもできます。「広さ」はそこまで優先順位を上げずに、最低限の機能があればよいでしょう。
玄関の明るさを十分に確保しましょう。いつも暗くて使いにくい場所になってしまいます。照明をつける方法もありますが、常に照明が必要になってしまうため、電気代ももったいないですね。
昔は明るさを確保するために「ガラス窓」を付けたドアが主流でしたが、ガラス窓は熱損失が大きいため、今はあまり採用されていません。そのぶんだけ暗くなってしまうので、別なところで工夫が必要ですね。
光に加え、におい対策も必要です。外履きは思った以上に土汚れや雨水などを玄関の中に運んでしまいます。放っておくとにおいがこもってしまい、不快感の原因になりますし、衛生的にもあまりよいものではありません。
仕事柄、長時間同じ靴を履きっぱなしの人もいれば、どうしても汚れが付いてしまう現場作業の人もいるでしょう。新潟県の場合は、雪かきの後に湿気を増やしてしまう原因にもなります。
玄関を開け家の中を見たとき、どんなものが見えるかに注意しましょう。リビングやトイレといったプライベートな部屋はなるべく見えないようにしたいものです。工夫としては、目隠しとなるような間取りにするという解決策があります。
廊下が途中で曲がり角になっていたり、玄関を開けたすぐのところに階段を設置したり、などです。手洗い場を設置する人もいます。
賃貸では、宅配ボックスや郵便受けがドアと一体となっているものがよくあります。家の中からそのまま郵便物などを確認できるため便利ですが、私はあまりおすすめしません。
理由は、住宅性能がそのぶん落ちてしまうからです。「気密性」も「断熱性」も損なってしまいます。屋外に設置すると、一旦外にでなければ郵便物を確認できないため不便に感じるかもしれませんが、郵便受けを家と一体にしたぶんだけ失う住宅性能の方が、ずっと大きいので注意しましょう。
「防犯対策」も重要なポイントです。悲しいですが、いまや防犯は欠かせない設備になっています。住宅のメインエントランスであっても、しっかりと防犯しなければなりません。近年は「電子錠」も一般的になってきています。車のキーのような無接点タイプやカードキーなども家庭用ドアで採用される事例も増えていますね。
ただ「電子錠」は電源が必要なため、希望する人は早めにリクエストしておきましょう。ドアの中の配線や電源を後から追加(または変更)するとなると、そのぶん手間がかかってしまいます。
鍵の場合は「ディンプルキー」が主流です。ディンプルキーはピッキング防止で複製が非常に難しい仕様になっているため、街の鍵屋さんでもそう簡単に複製できません。家族で共有する「合鍵」などはメーカーに直接依頼する必要があります。
玄関にとって大切なドアはいくつか種類があります。本記事では、よく採用されている次の3種類を紹介します。
「片開きドア」とは、1枚扉のタイプです。玄関に限らず、建物のさまざまなところでもっとも多く採用されています。メリットはデザインや素材の種類が豊富にあることでしょう。一方、デメリットは横幅が、設置したドアよりも大きくとれないため、大型の家具や家電の搬入がしにくい点ですね。
「親子ドア」とは、2枚扉のタイプですが、片方が大きく片方が小さいものを指します。普段は大きな扉だけを使用し、大きな家具や家電を搬入したいときなどに小さい扉を開け放ちます。
最後は「引き戸」です。その名のとおり片方にスライドさせて開閉するタイプです。ここまで紹介したドアはいわゆる押戸(開き戸)と呼ばれるタイプで、開ける方向に一定のスペースが必要となります。スライドドアは、扉を横に滑らせて開閉するため、狭い場所でも設置しやすい点がメリットです。
次に、玄関の収納スペースについて見ていきましょう。玄関に置いておくと便利なものは靴だけではありません。しっかりと置きたいものを考えながら検討すると、収納スペースの見積もりもしやすくなります。
「土間収納型」は、屋内に設置する「ウォークインスペース」のような場所です。靴箱のほかにハンガーなどを設置し、コートなども置いておけます。ほかにもアウトドア用品や自転車、新潟県ならスノーダンプなども必須ですね。ちょっとした用具室のようなスペースとなります。
「ウォークスルー型」は、来客用玄関と内玄関を別に設けたタイプです。出入り口はひとつですが、ドアを開けてすぐのところには来客用玄関があり、もう1歩奥に入ると家族用の小さな玄関があるという間取りになっています。玄関収納が見えないようになっており来客用の玄関口を常にすっきりと綺麗に保てるため、急にお客さんが来た時も安心です。
「屋外収納型」は、屋外に物置を設けるタイプです。一般的には、スノーダンプやホース、清掃用具などを置いておきます。土間収納型やウォークスルー型は、屋内に設置するので便利ですが、使い方によっては、土汚れなどが家の中にまで入ってしまうかもしれません。また、玄関を必要最低限の広さにしても、物置を確保できる点も魅力です。
収納スペースではありませんが、昨今の事情により手洗い場が欲しいという声も増えています。玄関の一角にて洗い場を設けるのもおすすめのアイデアです。家に上がって洗面所までいかなくても、その場で手洗いを済ませることも可能なので思った以上に便利という声もいただいてます。
アルコールスプレーを置く場所を作る人もいますね。その時々によって、必要なものは色々あるという一例です。
新築住宅の玄関について解説しました。玄関は、家族が毎日使う場所です。使う時間は短いですが、家の顔となる間取りでもあり、家族以外の友人などを迎え入れるときも必ず玄関は使います。限られたコストやスペースで、「利便性」と「見栄え」の双方をしっかりと確保するため、入念に検討しましょう。
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