「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
地面に埋まっており、完成すると内部も隠れてしまう「住宅の基礎部分」は、日常ではなかなか目にする機会がありませんよね。
ですが、基礎は建物にとって大切な土台であり、安心・安全に暮らすために不可欠な部分です。
耐震性能や耐久性にも大きく関係するので、しっかりと施工する必要があります。
本記事は、そんな住宅の基礎について、基本知識や種類、特徴について解説します。
「なんとなくは想像がつくけど、詳しくはわからない」
基礎に対するみなさんの印象は、このようなイメージではないでしょうか。
「基礎」とはその名のとおり住宅の土台部分で、地盤と建物をつなぐ重要な部分です。
木の幹が構造躯体(こうぞうすうたい:柱や梁で構成される、家の骨組み)、枝葉の部分が壁や窓、屋根。
そして基礎はしっかりと幹や枝葉を支える根にあたります。
もし、基礎部分が地震や大雨などで簡単に傾いたり沈下してしまうようなら、上に建っている居住部がどれだけ頑丈にできていても意味がありません。
しっかりとした基礎があるおかげで、家に住む私たちは安心して生活できます。
基礎には、以下のような種類があります。
柔らかく軟弱な地盤で採用される「杭基礎」と、固くしっかりした地盤に採用される「直接基礎(ベタ基礎・布基礎)」、そして現在の住宅ではほとんど使われなくなった「独立基礎」があります。
本記事では、現在主流の「直接基礎」に分類される「ベタ基礎」と「布基礎」の2種類を中心に解説します。
地面にコンクリートを敷くように施工するのが「ベタ基礎」です。
ベタ基礎には、以下のような特徴があります。
2021年現在、多くの木造住宅に採用されているのがベタ基礎です。
住宅会社・工務店のなかにはベタ基礎を標準仕様とするところも多くあります。
地盤調査の結果、強さが一定以下と判断された場合は「布基礎」の許可が下りず、ベタ基礎一択となるケースもあります。
ベタ基礎は「沈下に強い」という特徴を持ちます。
地盤に対して一枚のコンクリートを広く敷くように施工するため、沈み込みなどの心配が少なく、耐震性が高いといえます。
また、木造住宅は特定の箇所に力がかかりにくい構造のため、ベタ基礎とも相性がよいです。
ただしコンクリートが薄かったり鉄筋の量が少なかったりすると、耐震性能が弱くなる場合もありますので注意しましょう。
ベタ基礎は地盤をすべてコンクリートで覆ってしまうため、上に建っている住宅が地面と直に接しない構造になっています。
特徴として、湿気による建材の腐食や害虫(シロアリ)の被害を防ぎやすいという点も強みですね。
「布基礎」は歴史が長く、ベタ基礎よりも古くから採用されている基礎構造です。
T字を逆さまにしたような鉄筋コンクリート入り部材を、住宅の柱や壁などの下に打ち込む工法で、ちょうど住宅の柱と柱の間をつないでいくような構造をしています。
布基礎には、以下のような特徴があります。
布基礎は、建築基準法によりベタ基礎よりも根入れ(基礎を地中に埋める長さ)を深くするよう定めらています。
根入れを深く行った箇所は揺れに対する強度が高まるため、ある程度の安定感は得られる工法です。
布基礎は、上に建てる住宅の柱や壁部分に対して基礎部材を配置する工法です。
建物全体の地盤部分にコンクリートを施工するベタ基礎と比べると、費用を抑えられる点がメリットといえます。
強度や性能面での観点から、最近の木造住宅で「ベタ基礎」が採用されることが多いのは確かですが、基礎は強度だけで選ぶものではありません。
たとえば、地盤の状態によっては、ベタ基礎よりも布基礎を選択すべきケースもあります。
本記事で解説してきた内容を性能面だけで比較すると、
といった特徴があり、ベタ基礎を選んだほうがよい気もしますが、それぞれの基礎が持つ特徴が活きるかどうかはシチュエーションによっても異なります。
ベストな選択をできるように、さまざまな観点から提案してくれる工務店・ビルダーに出会いたいものですね。
「なぜその基礎を選んだのか?」といった質問をしてみて、信頼できる工務店かどうかを確認してみましょう。
基礎の特徴や違いについて解説していきました。
ベタ基礎のほうが強度や性能が優れているという特徴だけで選ぶのは少し危険です。
住宅を建てるためには、必ず「地盤調査」や「地盤改良」が必要なため、基礎は調査結果や予算、建てたい住宅などをトータルして検討したほうがよいといえます。
また、施主のみなさんに渡される「基礎図面」にも目を通してみて、納得したうえで工事を進めていってほしいですね。
モックハウスでは地盤調査や各種図面についての記事も用意していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
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