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窓枠の世界基準「樹脂窓」の世界!住宅の住み心地にはサッシが大きく関係している?

窓枠の世界基準「樹脂窓」の世界!住宅の住み心地にはサッシが大きく関係している?
勾配天井から差し込む光が家族の心を癒す家(株式会社ハウジングシステム・トーア)
2021.10.27

エコハウスの「エコ」は、エネルギー効率から住宅性能(快適さ)まで守備範囲が広く、国の規定、実際に暮らす個人の感覚によって定義が難しい分野。

そんなエコハウスを考えるうえで、みなさんによく検討してほしいのが「窓枠(サッシ)」です。
窓周りの性能を決めるサッシはエコハウスという観点において、実はとても重要な要素なんです。

俳優の福士蒼汰さんが出演されているCMで有名なYKKAPの樹脂窓など、みなさんも一度はTVで見かけたことがあるのではないでしょうか。
近年、国内でもエコハウスへの関心が高まってきており、YKKAPのような関連企業の努力もあってシェアをどんどん伸ばしています。

本記事では、住宅の住み心地に大きく影響する「窓枠(サッシ)」についてのお話をします。

アドバイザー
小林紘大
小林紘大

新潟市内の工務店で家づくりの実務経験を積んだ後にコウダイ企画室。としてフリーランス建築士として活動中。
「楽しい暮らしは自分でつくる」をモットーに新潟の家づくりを楽しく応援していています。

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「窓枠後進国」日本の窓とサッシの歴史

初めに国内の窓枠事情から解説しましょう。

日本でガラス製造が始まった1900年頃には、窓枠はまだ木製でした。
その後、アルミサッシに変わったのは1930年頃からです。
この頃はまだ、サッシとガラスは別々で製造し、あとではめ込んで建築現場へ運び込んでいた時代です。

1950年前後になるとサッシはアルミ製が主流となっており、しばらくはアルミサッシの時代が続きます。
小学校や古い公共施設では、アルミサッシが使われている建物もときどきみかけますよね。

アルミサッシが、アルミ樹脂複合サッシに切り替わるきっかけは1970年代に起こった「オイルショック」だったといわれています。

エネルギーの削減や節約を目的に住宅の断熱性能向上の意識が高まった結果、窓枠サッシも見直され、国内の窓枠サッシは今日までこの「アルミ樹脂複合サッシ」が主流となっています。

アルミは樹脂にくらべ熱伝導率が約1,000〜1,200倍も高く「熱が逃げやすい」素材。

アルミ樹脂複合サッシは、熱伝導率を低く(断熱性を高く)するために考案された窓枠でした。
ですがアルミ樹脂複合サッシでも、窓周りの結露は起こってしまうため、現在のエコハウスの基準を満たすことはできません。

実は、アルミ樹脂複合サッシでは世界基準の高性能住宅に採用するには、まだまだ性能不足なのです。

 

一方で世界の窓は「樹脂サッシ」が当たり前に採用

世界の窓枠事情はどうでしょうか。

1970年代に起こったオイルショックで住宅性能の見直しが進んだ結果、米国や欧州をはじめ、中国や韓国でも「樹脂サッシ」が主流となっていきます。

アルミサッシはもちろん、アルミ樹脂複合サッシも結露が発生し健康被害を引き起こす恐れがあるため使用禁止にしている国も多く、建築基準法で厳しく定められています。

2021年現在では、樹脂サッシが当たり前に採用されるようになっており、日本は「窓枠後進国」とも呼べる状態なのです。

高性能住宅には樹脂サッシが最適という答えが、世界ではすでに出ています。

 

樹脂サッシの効果と採用するメリット

樹脂サッシがなぜそこまで高性能だといえるのか、いま一度優れている点を整理しましょう。

ZEHといった高性能住宅の規定にもなっている「熱貫流率(ねつかんりゅうりつ)」。

この熱貫流率の算出に用いられる「熱伝導率(熱の伝わりやすさ)」を素材別で比較すると以下のようになります。

(※数字が小さいほど断熱性が高い)

  • ガラス:1(W/m・K)
  • アルミ:210
  • 鋼(鉄):55
  • 樹脂(塩化ビニル樹脂):0.17

アルミはよく「熱しやすく冷めやすい」素材だといわれますが、樹脂は熱をほとんど寄せ付けないといってよいほど性質に差があります。

サッシ自体の防音性能を比べても樹脂サッシが優れています。

樹脂サッシは四方を溶着するためフレームに隙間がまったくない仕上がりです。

新潟県新潟市のバイパスは日本で2位の交通量があり、空港も有している環境のため、防音性は新潟県で新築住宅を検討する人にとっては重要な要素ではないでしょうか。

気密性と断熱性に加え防音性にも優れた樹脂サッシは、高性能住宅はもちろん一般の新築住宅でもスタンダードになってほしい、魅力的な窓枠なのです。

 

紫外線劣化や価格が高い……口コミで耳にするデメリット

アルミサッシに比べ高性能で世界でも主流になっている樹脂サッシですが、なぜ日本では採用率が低いのでしょう。

一般的には以下のようなデメリットがよく挙げられています。

  • 窓の枠が太くてデザイン性が劣るし重量も増える
  • (以前までは)防火地域では使えない
  • 紫外線などの影響で耐用年数が限られる
  • 強度が低そう
  • 材料コストがかかってしまう

どれもよく見かけるものですが、デメリットを改善し窓枠業界に一石を投じたのが、冒頭で紹介したYKKAPのつくる「APW330」です。

窓枠市場に革命を起こしたYKKAPの「APW330」

アルミ建材メーカー「YKKAP」は、ファスナーで有名なYKKグループの会社です。
アルミサッシではLIXIL(トステル)と並び、国内で有数のシェアを誇っています。

YKKAPが開発した「APW330」は、樹脂と複層ガラスを採用し、国内最高水準の断熱性と防音性を実現した画期的な樹脂サッシです。
枠とガラスを具材なしで熱接着(特許技術)したことで劣化を抑え、長期に渡って内部結露が発生しにくい仕組みになっています。

一般的な四方を溶着する樹脂サッシの特性に加え、ガラスのはめ込みにもこだわることで、高い気密性を実現したのがAPW330です。

サッシのデザインやガラスも数種類用意されているため、用途や好みに合わせて選びやすい仕様になっています。

 

「窓枠」は住宅性能や住みやすさを大きく左右する重要な要素

住宅でもっとも熱が逃げやすい場所は「窓」です。

特に新潟県は、夏は暑く冬は寒い地域。
降水量や年間の日照時間、湿度の高さなど、全国的にみても特殊な気候にあります。

だからこそ、窓の性能を知ることは快適な暮らしを考えるうえでとても大切な要素といえます。

住宅性能を左右する外壁や空調機はあとで取り替えることが可能ですが、サッシというパーツはほとんどの場合、新築から30年以上買い換える機会がありません。

家を建てる前にこそ、しっかりと検討し納得のいくものを選定してほしいと思います。

本記事で紹介したYKKAPのショールームは、首都圏以外だと新潟にしか存在しない貴重な施設です(2021年現在)。

モックハウスマガジンでも取材の様子を記事にしてお伝えしています。

【樹脂サッシの国内シェアNo1!】『YKK APショールーム新潟』インタビュー|マガジンを読む|モックハウス
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みなさんもぜひ一度足を運んでみて、サッシの違いを体験してみてくださいね!

この記事を書いたひと
モックハウスマガジン編集部
モックハウスマガジン編集部

モックハウスマガジンの編集部員。
家づくりの気になる疑問や、知ってほしい情報を日々お届けしています。

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