「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
思い描く理想の注文住宅を成功させるポイントは「工務店・住宅会社選び」と「予算」です。
住宅ローンなどを含めた予算の把握とみなさんが希望している(想像している)注文住宅に、きちんと折り合いが取れているかが、ここでは大切になります。
とはいえ家づくりのような規模の大きなプロジェクトと、そこで扱うお金をみなさんの頭のなかだけでイメージするのはちょっと難しいかもしれません。
そこで、家づくりを上手く進めるための大切な橋渡し役となってくれるアイテムが「要望書」。
本記事では、家づくりを検討していると必ず登場する「要望書」と工務店・設計士への「要望の伝え方」についてお話してみようと思います。
理想の注文住宅を求め工務店を訪れると、営業担当者から「要望書(ヒアリングシート)」を渡されます。
来店した人の状況や考えを知るための要望書は、住宅関連に限らずさまざまな業種で採用されていますが、こと注文住宅づくりにとってはとても重要なアイテムなのです。
理想の家づくりを成功せさるために、みなさんにお伝えしたい最初のポイントはこの「要望書(ヒアリングシート)」がいかに重要かということについてです。
要望書は、みなさんがこれから長く住んでいく場所の理想やイメージが盛り込まれた大切なもので、逆に言ってしまうと要望書以外の手掛かりがないわけですから、設計担当者にとっては本当に大切なのです。
以上を踏まえたうえで、まずは要望の伝え方でやってしまいがちな例を紹介します。
もう少し言うと「自分のオリジナル要望書を作ろうと試みるのはやめておきましょう」といったところでしょうか。
もちろん注文住宅の完成へと向かうために、みなさんの頭の中にあるイメージや理想はとても大切です。
ですが、それを何もないまっさらな紙に一から書き起こしていくのは大変な作業です。
注文住宅は間取りひとつとってみても、多くのことを考えなければなりません。
さらにパートナーさんやご家族との意見を合わせ、すべての希望をそこに盛り込んだ「オリジナル要望書」を作成するのは、一般個人にはほとんど不可能といっても言い過ぎではないと私は考えます。
大抵の場合、途中で諦めてしまうか、時間が取れずに終わってしまうパターンをよく見かけます。
工務店・設計士への要望は、お店で貰う「要望書(ヒアリングシート)」のフォーマットに従い書いていくのが基本です。
注文住宅やそれにかかわる事項(土地など)の希望条件、コンセプトが打ち合わせの度に変わってしまうのは、工務店や設計士にとっては悩みものです。
みなさんから依頼を受けて担当していることは十分承知していますが、建てたい住宅、求める条件などはある程度固めておく、または早い段階で決めていくとスムーズに進むうえに失敗する可能性も少なくなります。
こちらも現場ではよく見かけるパターンです。
ご家族とはいえ、一人ひとり異なった希望があるのは当然のことです。
しかしながら、建てる家は1つ。
しっかりと意見を擦り合わせ、進みたい方向性をまとめたうえで提案書をお持ちいただくと工務店・設計士側もみなさんの考えや希望をくみ取りやすくなり、失敗も少なくなります。
もちろん細かな点までまとまっているとさらによいです。
「工務店サイド」と「みなさん」の2つというシンプルなかたちで進められるのが理想です。
失敗しやすいポイントを見てもらったところで、ここからは具体的な「要望書の書き方」について解説します。
注文住宅一軒分を仕上げるのは大変な作業ですが、紹介するポイントを押さえながらじっくりと取り組んでみましょう!
工務店から手渡された要望書(ヒアリングシート)は、みなさんとご家族で相談しながらすべて埋めるようにしましょう。
日ごろ、建築士としてみなさんからお預かりしている要望書を、私は「ラブレター」だと思って大切に拝見させていただいています。
要望書は、みなさんがこれから長くお住いになる住宅の大元となるものです。
みなさんもぜひとも全力で考え、思いを込めて書いてみてほしいと思います。
また、要望書を書いていくとぼんやりと頭の中だけで思い描いていた住宅のイメージも徐々に具体的になっていくかと思いますが、そのときに(住宅資金にあてる)予算の5〜10%程度は余裕をもたせておくことをおすすめします。
家具や外構費、またはプラン変更のとき対応しやすいためです。
つまり要望書は行動ベースで書く、ということです。
みなさんがご家族と理想の注文住宅を想像しているときは、
など「理想の暮らし」を思い浮かべているものですが、いざ要望書を作成する段階になると、
といったように「ほしい間取り・平米」を書いてくださいます。
しかしながら工務店や設計士が知りたいのは、
こういった疑問から想像するみなさんの「暮らしの様子」なのです。
要望書には「ほしい家」ではなく「ほしい暮らし」を書き込むようにしましょう。
要望書を書くときのコツとして、各項目に「重要度」や「優先度」を付け足すのはおすすめです。
要望書の時点ですべてを決定するわけではありませんし、決めるのは難しい部分も出てくるでしょう。
場合によっては1つの項目にいくつもの案を書きたいこともあるのではないでしょうか。
そんなときは各項目ごと、または全体の要望に対してみなさんにとっての「重要度」や「優先度」を書き足してみてください。
予算などをトータルして検討するときにも、とても参考になる情報です。
具体的な例として施工事例をお持ちいただくことがあるのですが、サンプルを用意する場合は依頼先の会社のものがあるとなおよいです。
工務店側は、かかったコストやメンテナンスに関してまで詳細にわかっているので、相談に乗りやすいからです。
また、部屋の間取りイメージや素材・色の指定といった資料をみなさんで用意するときには、ぜひモックハウスの建築実例・写真を活用してみてください。
工務店各社が開催している住宅の完成見学会は、注文住宅を検討している人なら一度は訪れたことがあるかもしれません。
おすすめは、機会があれば何度か足を運んでみることです。
特に要望書の作成中は、ぼんやりしている間取りアイデアや、イメージのフックになるようなヒントがたくさんあります。
設計担当者と直接話ができたり、実践的なアドバイスがもらえるかもしれません。
また、なんとなく新築を検討しはじめたとき、要望書を必死に書いているとき、設計図が出来上がってインテリアなどを検討しはじめているときなど、タイミングによって見え方も全然違うことに驚くと思います。
やはり実際の現場を目で見て肌で感じるのは大切ですよ。
冒頭でもお話しましたが、注文住宅づくりは個人の規模で考えるととても大きなプロジェクトです。
施主であるみなさんはいわば「プロジェクトリーダー」であり、工務店や担当設計士、現場で施工する職人たちも、すべてがみなさんの家づくりというプロジェクトを達成するためのチームメンバーであることを忘れないでほしいと思います。
そして「要望書(ヒアリングシート)」は、チームで共有するプロジェクトシートの大本となるもっとも重要なアイテムです。
考えなければならないことはたくさんありますが、しっかりと要望が伝わるように頑張って仕上げていきましょう!
2023.10.29
2023.10.27
2023.10.20
2023.10.19
2023.09.22