「省令準耐火構造」の基準や性能を解説! メリットやデメリットも
2023.10.29
地球温暖化問題や脱炭素問題などが注目され、住宅業界でも「SDGs」や「省エネ」といったキーワードを見かけるようになりましたよね。
一般住宅でも、省エネや持続可能な開発目標といった国際的に取り組んでいる目標に向けて、さまざまな法律や規定によって定められた物件が建てられるようになりました。
本記事では、そのなかでも「認定低炭素住宅」について解説していきます。
「省エネ住宅」や「長期優良住宅」といったワードに少しでも興味がある人は、ぜひ「低炭素住宅」についても学んでみてください。
「認定低炭素住宅」とは、おもに二酸化炭素(CO2)の排出を抑えるための対策が施された住宅です。
都市部をはじめ先進国では、社会経済活動にともない日々多くの二酸化炭素が排出されており、冒頭でも紹介した「省エネ」や「SDGs」といった「持続可能な社会」への変化・対応が迫られています。
こういった国際的な動きに先立ち、国内では「都市の低炭素化の促進に関する法律(通称:エコまち法)」が平成24年12月に施行されました。
この「エコまち法」の一部として、住宅業界で新しくスタートした制度が「低炭素建築物認定制度」です。
各都道府県や市、区といった自治体から「低炭素住宅」の認定を受けることで優遇措置を受けられるというメリットがあります。
そしてこの低炭素住宅の認定を受けた住宅、または認定を目指して設計された住宅を「認定低炭素住宅」と称します。
低炭素住宅の認定を受けるためには、いくつかの基準を満たす必要があります。
一部ではなく、すべて満たさなければならない点に注意です。
最初の条件に関しては、いくつか細かな規定が設けられていますので、その一部を紹介します。
「定量的評価項目」は、低炭素住宅の認定を受けるために必ず必要な基準です。
「選択的項目」は住宅の低炭素化のための処置のうち、2つ以上を選択しなければならず、それらの項目を指します。
例えば節水対策では「節水に役立つ機器を導入しているか」や、建築物(躯体)の低炭素化項目には「受託の劣化を軽減する措置が取られている」や「木造住宅である」などの項目があります。
詳しく知りたい場合は、認定低炭素住宅に対応している工務店・ビルダーに相談してみましょう。
平成24年12月に施行された「エコまち法」の低炭素化の基本方針に沿って進めていく必要があります。
家づくりのための資金計画が、低炭素化を目指した建築物を建てるとき、確実に遂行できるかどうかも認定基準の対象となります。
途中で頓挫してしまったり、予算不足で基準を満たせなくなってしまっては、次項以降で紹介するローン減税といったメリットを受けることはできません。
決して簡単ではない「低炭素住宅」の認定を受けることができると、苦労の甲斐あってさまざまなメリットを受けることができます。
ここでは、低炭素住宅にしたときのメリットを紹介します。
認定低炭素住宅にすると、住宅ローン減税や登録免許税などで優遇措置を受けることができます。
例えば、住宅ローン減税(10年以上の住宅ローンを組んで住宅を取得した場合に利用できる制度)では、控除対象借入限度額が一般住宅よりも多くなります。
入居年月が平成26年4月~令和3年12月末までの場合だと、一般住宅が4000万円なのに対し認定低炭素住宅では5000万円です。
また、登録免許税(住宅所有者の保存登記をしたときにかかる税金)も認定低炭素住宅は税率が安くすみます。
認定低炭素住宅は資金繰りで大切な「住宅ローン」も低金利で組めます。
具体的には住宅ローンの利用基準のうち「省エネルギー性」を満たすことで「フラット35S(金利Aプラン)」を利用可能になり、ローン開始から最初の10年間の金利が1.3%から1.05%に引き下げられるのです。
低炭素住宅の認定条件にある「断熱性」と「日射遮蔽性」のおかげで、夏は涼しく冬は温かい住環境を実現しながら、各シーズンの冷暖房費は安く抑えられる点もメリットです。
また「選択的項目」もうまく活用すれば、日々のランニングコストのさらなる節約も期待できます。
低炭素住宅の認定条件をクリアすると、一般住宅はもちろん、これまでの省エネ住宅にも引けをとらない住宅性能をもった環境で快適に暮らすことができます。
認定低炭素住宅のメリットをみると、さまざまな面で優れたように感じますが、デメリットもあります。
ここからは低炭素住宅のデメリットをいくつか紹介します。
基本的に低炭素住宅は建築時の炭素を減らす必要があるため、建築可能な区域を予め定めています。
これを「市街化区域」といいます。
低炭素住宅を希望する場合は、事前に工務店に確認しておく必要がありますので、注意点として覚えておきましょう。
また新潟県用の地域マップもありますので、参考までにチェックしてみるとよいかもしれません。
>新潟県用途地域マップ参照
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低炭素住宅の認定を受けるためには一定の申請費用がかかり、金額は住宅部分の戸数や非住宅部分の面積などで変わってきます。
申請が受理されるまでの時間や、一度申請が通ってしまうと変更ができない点にも注意が必要です。
参考:新潟市HP
https://www.city.niigata.lg.jp/smph/kurashi/jyutaku/kenchiku/sonotahorei/teitanso_nintei.html
一般住宅は一次エネルギー消費量が平成25年(2013年)に改正された省エネ基準内であるのに対し、認定低炭素住宅や長期優良住宅、ZEHは高い住宅性能や省エネ性能を持っています。
ここからは、そういった「長期優良住宅」や「ZEH」と「認定低炭素住宅」の違いについて簡単に解説します。
「長期優良住宅」も「ZEH」も「認定低炭素住宅」と同様に一定の基準を満たす必要があり、それぞれ細かな認定基準が定められています。
「長期優良住宅」は国土交通省管轄、「ZEH」は経済産業省管轄といった違いもありますが、皆さんが気になる点を挙げるとすると、補助金の併用などがあるのではないでしょうか。
長期優良住宅もZEHもそれぞれ補助金制度が設けられていますが、基本的にそれらは併用できないケースがほとんどです。
補助金は国や自治体が各省エネ住宅を選んだ人への優遇制度として設けているものです。
かつての自動車の「エコ減税」のように、年度の縛りやタイミングによって変わってくる場合もありますので、担当工務店に相談してみましょう。
またそれぞれの住宅認定基準を満たした場合の認可(バッジのようなもの)は、のちの減税や資産価値としての効力を持ってくる場合も考えられます。
そのため、より多くの認可を取得しておきたいと考えるかもしれませんが、各省エネ住宅の認定を「併用」することはありません。
省エネ住宅を考えている場合は、予算や着工スケジュールなどもふくめ、さまざまな観点から検討することになりますので、こちらも工務店と相談しながら進めていく必要があります。
低炭素住宅は、長期優良住宅やZEHといった省エネ住宅と同様に、たいへん魅力的な認定住宅な反面、認定基準や予算、工期、指定区域などを考えると一般住宅よりもハードルが高いのも確かです。
皆さんの暮らしに合った家はどういったものなのかを考え、担当工務店とよく相談しながら納得のいく家づくりを目指してみてください。
工務店に認定手続きの経験があるかも尋ねるといいですよ。
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