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建築設計ユニット jinroku×coboの建築実例

河渡の家

建築設計ユニット jinroku×cobo

河渡の家

小さな家で楽しむおおらかな暮らし道路と家が建つ地盤面に1m20cmほどの高低差がある敷地。 そのおかげで住宅地にありがちな閉塞感を感じません。 見晴らしがいいということは周囲からも見られてしまうため、建物と駐車場の間には植栽を施し、木々が成長するとちょうど良い目かくしになってくれます。庭木があるのは町並みにとっても潤いを与えてくれるはずです。 4人家族が住まう29.5坪の小さな家。 家を小さくした分のコストは職人の手仕事と愛着の湧く材料にまわし、豊かに暮らしを楽しめる家になりました。

新潟市東区
小針の町家

建築設計ユニット jinroku×cobo

小針の町家

【建築地】新潟市西区小針。数棟の賃貸住宅が解体され、5区画割りの分譲地からクライアントと共に選んだ敷地。もともとこの町に暮らすお隣さんがある唯一の区画です。南側道路に面する他区画より坪単価が抑えられていたため、西側道路の宿命でもある西日対策に対して費用分配もそれなりに検討できる。また、“町家”など日本的な要素が好きなクライアントの要望をイメージすると、“今風“の新築住宅と並ぶより既存の町に近い方が馴染むように考えたこともこの区画を選んだ際に考えたこと。敷地面積は43坪、間口8.1mという奥に長い敷地での計画です。【外部】三角の切妻屋根(北面は北斜制限により入母屋造)。建物正面に来る軒先、3尺オーバーハングした2F・外壁面に張られた格子によって、安定感のある横ラインと奥行きが感じられる様なファサードとしています。この格子は西日による劣化を防ぐため、外壁には直接張らず少し隙間を開けることで影をつくります。また、取付けピッチの違う窓面のルーバーは、室内への日射をコントロールするためのもの。夏の西日はなるべく遮り、冬は出来るだけ日射しを取り込めるように角度を調整しました。 駐車場とメインの窓の間の庭は眺める庭とし、四季が愉しめる様落葉樹中心の構成です。駐車場から玄関までは近い方が便利に決まっていますが、雨から守るポーチ屋根を大きくとり、庭木の間のアプローチを通ることが、気持ちを整える装置となる様に。 “家”にはセットで“緑”が必要だと思っています。人の時間と樹の時間、リズムの違った時間が流れる事で、日々の営みに奥行きが出るような気がするからです。 【内部】この家は6帖の居間、3帖の小間(和室)、4.5帖の食事室、4.5帖の台所という小さな空間が連続的につながる構成になっています。 計18帖(+α)になりますが、開放的とはとても言えない空間です。 クライアントの要望のひとつに「それぞれが好きな居場所にいることができる」というものがありました。「人と人との距離感」、「人とモノとの距離感」を慎重に考え、クランクを用いたり、段差や壁を設けて親密でありながらも感覚的な距離が生まれることを意図した結果です。 家族の在り方は、それぞれです。部屋の「カタチ」を考えることも大切ですが、コミュニケーションの取り方、距離感を考えることも大事だと思います。 居間のメインの窓は「アルミサッシの無機質な感じをなんとかしたい」という要望から、框が小さいFixの窓と、製作の木製建具(格子網戸)でサッシを隠しやすいすべり出し窓で構成しました。サイズ(H寸法)は、手持ちのソファのひじ掛けの高さから、空が見えるよう天井までの特寸サイズとしています。 小間は3帖と小さなスペースなので、細かいところまで意識や目が行き届いてしまいます。そこで、コストよりモ見た目を重視し木製サッシとしています。 また、居間に置かれるソファの背もたれを受けるために設けた壁を利用して、ちょっとした飾り棚になるよう考えました。床の間のように設え方を変えて、それぞれの季節感を楽しみます。隣接するダイニングとキッチンは、壁や天井の仕上げを変えて空間の雰囲気を調整しています。 ダイニングには折り上げ天井と白塗装仕上げによる杉板張りの壁。折り上げ天井に設けた格子は、2階水回り用の点検口を隠すためにひと工夫しています。 隣家の窓が近いため、外との関わりは光と風だけと割り切り、ダイニングの窓は天井付のカタガラスとしています。杉板の壁のプロポーションを優先してサイズを決めました。庇がついているので、小雨程度なら窓を開けられるようにしています。 【小さな居場所】LDKだけではなく、廊下なども利用していくつかの小さな居場所を設けています。 1F廊下 キッチンの真後ろにあるパネル壁の裏には本棚を設えました。 この本棚は、ファーストプレゼン後に追加でもらった要望に応えたもの。平角材の柱を使い、柱の奥行を利用したニッチ風の本棚です。限られたスペースの中で生み出せた苦肉の策でした(笑) 階段の踊り場 ちょっとした読書スペース。(正確には、本を選ぶためのスペース!?)2つのニッチは本棚として使います。段差に腰掛けたり、小さなイスを置いたり。子供たちは自然とうまく使ってくれているようです。 2F縁側 機能的には室内物干しスペースとして、書斎として使うのですが、狙いとしては、 ・寝室の空間に「奥行き」を与えるため ・道路(外界)と寝室の感覚的な「距離」を取るため という思いがありました。 無駄と思えるようなスペースが、豊かさにつながることが多々あります。 また、廊下-寝室-縁側-WICが回遊できる動線となっていることと、脱衣洗濯室とお風呂も2Fに上げているため、家事効率にも一役買ってくれています。 玄関に隣接する納戸 アウトドア好きの夫婦のための3帖の納戸。陣取り合戦(要望の優先順位をしっかりと!?)の末、何とか設けることが出来ました。このスペースを確保するためにお風呂に係る水回りを2Fに上げています。壁は合板仕上げとし、クギやビスが利くようになっています。 【コンセプト】 「形」をつくるのか、「空気」をつくるのか!?  普段から、モダンとか、洋風、和風といったスタイル(様式)に特にこだわってはいない。 ただ、ここが日本で自分が日本人であるのだから、“日本的”という意識は強く持っている。 クライアントの、「町家っぽく」という希望も、単に造形だけのことではないだろうと思う。 雰囲気、時間の流れ、光や影、音、におい・・・・。 「形」ではなく、「空気」をつくることに地道をあげたい。 ○陰影! どこでもまんべんなく明るい、というのではなく、窓辺が明るくて奥に行くにしたがって暗くなる、といった感じに。窓からの光が強調されるよう。照明を効果的に使うのも有り。 ○シークエンスと奥行! 奥に続いていくという期待感を。続き間的なイメージ!?移動という行為も大切に。あちこちに行ける動線とか、周れる動線とか。 ○スケールと距離感! 大きな空間ではなく、少しこじんまりとしたスケールで。縦横比を慎重に! 人と人との距離はある程度保ち、人とモノ、人と壁との距離は親密に。 ○アプローチを整える! 小さな敷地の場合、道路からすぐのポーチになりがちだが、それでは味気がない。 茶室の露地、神社の参道のような、気持ちに触れられるようなしつらえを。 ○できればバックヤードを! 小さな敷地だからこそ、庭やアプローチを大切にしたい。 表と裏。演出ということではなく、恥じらいとかエチケットといった感じ。 (ファーストプレゼン時の資料より) 設計:渡辺 義行

新潟市西区
小針の家Ⅱ

建築設計ユニット jinroku×cobo

小針の家Ⅱ

【建築地】新潟市西区小針。既存の落ち着いた住宅街にある68坪の敷地です。土地を探しを始めたころはエリアも違いましたが、巡り巡ってご主人が生まれ育った町で見つかった土地での計画となりました。ご家族やご友人が遊びに来たとき用として3台分の駐車スペースを確保しつつ、東側(少し北に振れている)の道路わきには小さな植込みを。北側斜線をかわしながらL型に建物を配置することで、南側にはメインの庭を設けることが出来ました。土地の引渡し前の解体工事では、既存家屋の樹木を数本残してもらいました。家も家主も新しくなりましたが、以前からこの土地で育まれた木々が時間の差を埋めてくれているような気がします。【外部】寄棟とした上屋根の大きな軒の出は、太陽と雨と仲良くするためのもの。道路と敷地の高低差から屋根面はほぼ見えなくなることを利用して、デザインとしては三角屋根でありながらフラットルーフの様なすっきりとモダンな印象に。アピトンの羽目板を張った軒天井も一役買っています。建物は悪目立ちせず、周囲と馴染むようグレーホワイトのリシン吹付塗装。平屋部分は杉の羽目板+押し縁仕上げとし、こちらも薄いグレーの塗装仕上げです。そしてアプローチの庭木、土留め上の生垣、道路側に設けた外収納がバッファーゾーンとなり、住まい手の暮らしを程よく守りつつ町に対して優しい印象を与えてくれるように計画をしました。【内部】内部空間は場所ごとに雰囲気を調整しました。 ・居間へのアプローチとなる「玄関」は、暗くすることにより居間より少し“緊張感”を ・パブリックな「居間」は、多くの人に対応させるためあまり色は出さず“さっぱり”と ・「洗面」はパブリックの延長なので、居間の雰囲気に“清潔感”を追加 ・「食事室」は家族のスペースになるので、居間よりもざっくりと柔らかく、“ぬくもり”を 「形」ではなく「空気」をつくることを心掛けています ダイニングは床が150mm上がっています。ダイニングテーブルとキッチンの天板を揃えて、親密な関係をつくるためなのですが、、、。実はその反面で耐力壁が不足してしまうため、それを補う「耐震BOX型フレームをどう納めるか?」から派生して生まれたアイディアでもあります。そのおかげで耐震のバランスもとれ、心地いい距離感と楽しさのある空間ができました。 【テラス】この家はメインの庭につながる2つのテラスを持っています ”デッキテラス” L型に配した居間と食事室から出入りができる、ウッドデッキの「晴れテラス」。3尺はね出した屋根がテラスに日陰をつくってくれるので、夏でも利用しやすくなっています。「軒の出」は外と仲良くするための優れモノです。 ”土間テラス” 雨の日でも外の時間が過ごせるように設けた屋根付きのテラス。通風と採光も考慮して壁は板塀、屋根はクリアのポリカ(丸小波)です。子供たちと遊ぶときにはハンモックやブランコを吊るします。将来的にDIYなどの作業スペースとしても気兼ねなく使える様、モルタル仕上げにしています。 【コンセプト】『小針の家Ⅱ』のクライアントに初めてお会いした時から、「控えめでまじめで上品な方」という印象を持っていました。土地探しや資金計画、家具店巡りを経て、具体的な設計が始まったのが2019年7月。この頃にはすでにその印象は確かなものとなっていました。 人柄と場所柄を大切に扱い、設計の方向性として考えたことは、 『人目を引くような面白さとか新奇さは必要なく、落ち着きとか品、自然な振る舞いのような、雰囲気が醸し出されることが大切なのではないか。その為には、設計者としてのエゴみたいなものが強く表に表れることは避けなくてはいけない。やりすぎないこと、余白を残すこと、機能に従って淡々とつくること、建物として無理をしないこと、着飾らないこと・・・・。』  要するに“意図的にデザインにブレーキを掛ける”ことで作家性を抑え、静けさを生み出そうという考え方です。 着地点の目安としては、他者から見て 内部空間:「パッと見はどうってことないんだけど、気持ちよくてつい長居をしてしまう」 外観:「車の速度では気が付かないんだけど、歩く速度だと目に留まる」 といったところでしょうか。 この家のインターフォンを押し、中から出てきた人が思った通りの人だったら、僕らの仕事はとりあえず成功なんじゃないかと思っています。 設計:渡辺 義行

新潟市西区